2018年8月11日土曜日

極私的サマータイム

 2年後の東京オリンピックに、酷暑対策としてサマータイムを導入してはどうか、という話が浮上している。あるテレビ局のワイドショーでは、コメンテーターが「体調を崩す人が続出する。(略)マラソンのスタートを午前5時にすれば済む話」といっていたそうだ。SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)で知った。私もそう思う。
今年(2018年)は、梅雨明け前から“災害”級の暑さが続いている。7月に入ると、気象庁が「命にかかわる危険な暑さ」と注意を喚起するまでになった。早いうちに“仕事”をすませたい――朝5時ごろ起きていたのを、1時間早めて4時ごろには起きるようにした。

サマータイムを意識したわけではない。オリンピックがらみでその話が出た。すると、これは極私的サマータイムだったのだと納得した。

座業はともかく、外を歩かないといけないことがある。行政区の仕事は、基本的にそうだ。回覧資料を区の役員さん宅に届ける。事業所を巡って体育祭の協賛金をもらう。役員会の資料をつくって、コンビニでコピーをする。事業所回り以外は早朝でもできる。今年は、意識してそうするようにしてきた。

 9年前の2009年9月、還暦を記念して、同級生数人で北欧を旅行した。サマータイムを意識する場面に何度か出合った。「1年に400日は雨が降る」といわれるノルウェーの港町ベルゲンでは、曇雨天のせいもあったろうが、朝6時だというのに暗かった。

 ヨーロッパのサマータイムは、3月最終日曜日の真夜中から10月最終日曜日の真夜中までの7カ月間、1時間だけ時間が早まる。今はそれに、「フレックスタイム」も加わる。朝の7~8時に出勤し、午後3~4時には帰宅する。家族と食事をしたあとは、遊んで楽しむ。いやいや、それだけではない。

午後4時といえば、本来なら3時だ。ベルゲン=写真=では、その時間、家族連れと思われる親子が歩いていた。帰宅する人も急ぎ足だった。帰宅したあとは、アルコールだけに沈潜しても意味がない。「遊んで楽しむ」には、勉強、ボランティア、家族サービスなども入っていた。

さて、日本では――。サマータイムはかつて、進駐軍が統治していた昭和23(1948)~26年に実施された。定着はしなかった。日本の文化には合わない制度なのかもしれない。ならば、2年後のオリンピック期間だけサマータイムを、といっても受け入れられないのではないか。

極私的サマータイムで実感したことは、一日が長い、ということだ。食事時間はいつもと変わらない。それはともかく、年寄りは朝のうちに仕事をすませると、横になって朝寝・昼寝をするだけ。しかし、この暑さだから、眠れるわけもない。結果、ボーッと過ごす時間が増えた(長くなった)。

 オリンピックのためにサマータイムを――ではなく、種目によってサマータイムを――。庶民を巻き込むことがないように、ね。

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