夏井川渓谷にある隠居の庭で、昔野菜の「三春ネギ」を栽培している。三春と名が付いているように、田村郡から種が伝わってきた。
田村郡ではお盆のころ、溝を斜めに切ってネギを植え直す。ネギは、地上部はまっすぐ天に向かって伸びようとする。それで、食べごろのネギの形はアルファベットの「J」に似てくる。曲げる=ストレスを与えることで甘みが増すのだという。
ネギは乾燥には強いが、湿気には弱い。地中の水分が過剰だと、根腐れを起こす。曲がりネギにするのは、根を浅く植えることで根腐れを防ぐ意味もある。
2年前(2016年)の春、三春ネギの苗を分けてくれた渓谷の小集落のおばちゃんの家で茶飲み話をしたとき――。「私は田村地方にならって曲がりネギにしてるけど、おばちゃんは」「まっすぐだよ」。ええっ、やといをやらないのか! それは楽でいい。よし、おばちゃんにならって、やといを省略しよう。3年目の今年も植えたままにしている。
それはいいのだが、先日、隠居へ出かけたら、ネギが何本か倒れていた=写真。ネキリムシが根元にひそんで根をかみ切ることがあった。指でネギの周りの土をほじくると、幼虫が現れる。それをプチッとやる。ネキリムシの被害が少なくてすんだと思ったら、今度は風だ。
根腐れ予防に浅く植え、高く土を寄せる――その土寄せが不十分だと、風が吹き荒れたときに倒伏する。やわらかさが特徴の三春ネギの欠点でもある。大急ぎで根元に土を寄せた。
根腐れ予防に浅く植え、高く土を寄せる――その土寄せが不十分だと、風が吹き荒れたときに倒伏する。やわらかさが特徴の三春ネギの欠点でもある。大急ぎで根元に土を寄せた。
ネギの溝のそばには4畳半くらいの空きスペースがある。久しぶりに白菜を栽培しようと思っている。冬、自前の白菜を漬け物にする。12~3月の間、夫婦2人で食べる白菜漬けは、10玉もあれば十分だ。
きのう(8月21日)夕方、車で5分ほどのところにある種屋さんへ行って、おやじさんの話を聴いた。「白菜は、どの種がいいですかね」「いつ食べるの?」「冬に漬け物にするんだけど」「では」――と、「耐病性黄芯耐寒性大玉80日」の種袋を勧めてくれた。ホームセンターでは、こうはいかない。
キュウリ苗もこの種屋さんから買った。大当たりだった。時期的には終わりのはずだが、まだ花が咲き続けている。実の生(な)りもしっかりしている。
苗も種もホームセンターのよりは高い。しかし、高いだけのことはある。目利きの種屋さんが近くにいるメリットははかり知れない。
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