2010年1月17日日曜日

ガン・カモ観察調査


日本野鳥の会いわき支部による、平成21年度ガン・カモ観察調査結果(速報)が公表された。1月10日にいわき市内19カ所で支部員が一斉にカウントした。速報値によると、総数は6,170羽で、過去最高を記録した3年前の1万472羽に比べると6割程度にとどまる。

内訳は、ハクチョウ類がオオハク52羽、コハク837羽、アメリカコハク2羽の合計891羽で、昨年より191羽増えた。それでも過去最高を記録した17年度1,478羽の6割にすぎない。

カモ類の中では、海で過ごすクロガモの飛来数が年によって大きく異なる。今年は大幅減だった。このため、カモ類の総数も昨年より412羽少ない5,238羽にとどまった。クロガモを除いた場合は4,291羽で、昨年の4,150羽とそう大差ない(これについては、同支部のホームページ上の解説ではなく、表の「備考」に従った)。

飛び抜けて多いカモはオナガガモ=写真(撮影は昨年2月8日・小川)だ。ここ10年は1,215~2,970羽が飛来している。今冬は1,839羽で、昨年より173羽増えた。雄の尾が長いのでその名がある。

私が散歩コースにしているのは、ハクチョウ飛来地・平塩地区に接する中神谷の夏井川。ハクチョウを遠目に眺めて帰って来るだけだが、近くまでばらけたカモ類を見ると、オナガガモが断然多い。近年、その数を増した。ハクチョウのそばにいれば撃たれないことを経験的に知っているのだろう。

さて、留鳥のカルガモはカモ類総数のざっと5分の1を占める。マガモ・コガモ・スズガモなど、いわゆる渡り鳥のカモ類は4,300羽弱ということになる。

特筆される事項として、平塩の夏井川で「169Y」の緑の首環をつけたコハクチョウが確認された。去年10月、北海道は網走のクッチャラ湖で装着された個体だという。

残留コハクチョウの「左助」「左吉」「左七」は随分前に姿を消した。これも私の中では特筆したい事項だ。平塩地内で仲間を誘う「呼び水」役だったが、もうその群の中にいないのかと思うと、一抹の寂しさがつのる。

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