2010年1月6日水曜日
三和の白菜
去年の暮れ、いわき市三和町の永山シゲヨさんが突然、わが家へやって来た。知り合いの家へ行く途中に寄ったのだという。シゲヨさんは農業を営むかたわら、通年、柏餅を製造・販売している。「柏の里」がご夫婦の代名詞でもある。柏餅と白菜2玉、パック入り白菜キムチを土産にいただいた。
年に1、2度、シゲヨさんらが立ちあげた三和町の直売所へ出かける。「農家レストラン」を営むシゲヨさんの自宅へ行ったこともある。そこで石窯ピザ焼きを体験した。
いわきの農村・農業・農家、そして伝統料理に精通している人に教えられたことがある。「ネギは土付きでいいが、大根は取ったらすぐきれいに洗わないと」。収穫後は逆に土が味をそこねるらしい。そのあとの言葉。「いわきの野菜は三和。三和の野菜はうまいよ」。その、三和の白菜だ。
年の瀬に白菜漬けが切れた。年が明けたら最初に食べられるように、暮れの30日にシゲヨさんからいただいた白菜を干して漬け込んだ。年明け2日には試しに食べたが、まだ塩がなじんでいなかった。3日、4日と日を追うごとにしんなりしてきた。
白菜は栽培しなかったので、直売所ないしスーパーから2玉を買ってきて漬け込む。スーパーで売っているのはだいたい、いわきから南の地方の白菜だ。北の白菜はない。
南の地方の白菜と三和の白菜とでは明確な違いがあった。三和の白菜は甘いのだ=写真。12月の初めだったか、シゲヨさんから電話がかかってきた。「周りは一面の銀世界です」。同じいわきでも、平地は庭のスイセンが満開、山間地は雪野原だ。山間地の冬の寒さが白菜の糖度を増すのだ。三春ネギにも、同類の阿久津曲がりネギにも同じことが言える。
白菜漬けは2玉でだいたい3週間は持つ。人にあげたりするから、実際にはもっとサイクルが短いが、4月末まで食べるとして、あと4回くらいは漬けなくてはならないだろう。道路事情(雪の有無)がよければ、これからは三和まで白菜を買いに行くことにしよう。
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