2010年1月5日火曜日
仕事始め
年末年始には酒を飲む機会が増える。世の中全体が休みに入る。で、〈まあ、いいか〉と自堕落になるのが通例。カミサンが横目でチラリと見たが、本を読んで、飲んで、寝て、また本を読んで過ごした。散歩も休んだ。年末年始恒例の“巣ごもり”だ。
さすがに仕事始めの4日には、寝てはいられなくなった。いつものように朝早く起きる。ちょっと遅れたが、散歩に出る。朝食のあとは、いわきの市民参加型雑誌の校正をした。「在宅ワーク」である。私の仕事始めだ。
事前校正でひとまず整理をしたはずの文章がある。が、それが徹底していなかった。二度目の「事前校正」をしているうちに、背中が痛くなってきた。目がチカチカしてきた。外の空気を吸いたくなった。午後になると、校正を中断して朝とは逆のコースで夕方の散歩に出た。
いつもの時間よりはちょっと早い。快晴、無風。夏井川の堤防に出ると、すぐ2羽のコハクチョウが音もなく海の方からやって来た。今年初めて見る飛翔姿だ。ちょうど堤防の上を飛んで来る。頭上近くに来たとき、カメラを構えた。今までで一番近い距離でハクチョウの飛ぶ姿を撮ることができた=写真。
ハクチョウには「飛び納め」も「飛び始め」もない。去年も今年もない。ただ夜が明けて、日が暮れて、やがて北へ帰る季節を、南へやって来る季節を体で知る。そのサイクルのなかで必死に生きている。なぜかその必死さが尊いものに思われた。自堕落では、野性を保てない。
翻って、人間は文明に逃げ込むからときどきだらしなくなるのだ――そんなことを考えさせられた「初散歩」だった。
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