2010年7月27日火曜日

夕立


土曜日(7月24日)の夕方、田村市の実家に着いて少ししたら、雨が降り出した。土砂降りになった。アスファルト道路がたちまちぬれて、水が糸になり、帯になり、浅瀬になった。小一時間もすると黒雲が遠ざかり、青空が戻った。雷鳴は遠かった。

その3時間前、夏井川渓谷の無量庵に立ち寄り、水分を補給しながら、キュウリの追肥をしたり、三春ネギの間引きをしたりした。入道雲とは別に、灰色の雲がもくもくと広がり始めた=写真。これはくるな――急な“風雲”に、実家へと道を急いだ。そのあとからわき続けた黒雲が雨をもたらしたのだ。

昔は夕立によく見舞われた。そんな印象がある。小学校の夏休み。川で水浴びをした午後、急に雷雨がくる。落雷を恐れて家の雨戸を閉め、電気を消して蚊帳のなかに避難する。仏壇の線香立てを廊下に持ち出し、線香に火をつけて雨戸のすき間から煙を外へたなびかせる。雷様(らいさま)よけだ。昭和30年代前半の記憶。

雷様にへそをとられないように、とも注意された。幼いときには金太郎と同じ腹巻きをさせられた。小学校に入ってからはランニングシャツをちゃんと半ズボンの中に入れるように言われた。怖い雷様を利用して、腹を冷やさないための戒めとしたのだろう。

おととい(7月25日)は夜になって、きのうは午後2時からまりになって、夕立がやってきた。夕立が過ぎると、少し気温が下がる。大地の打ち水だ。一雨過ぎるとしのぎやすさがまるで違う。やっと夏らしい夏がきた、

カッと暑くなる。しかたがない。夕立がくる。少し熱気がおさまる。それで、昔は熱中症になる人が少なかったのではないだろうか。夕立は夏の大事な気象。だが、最近はほとんど記憶にない。久しぶりに夕立を体験しているわけだ。

もっとも、熱中症という言葉は昭和30年代にはなかった。「鬼のカクラン」だ。元気なボウズがゲンナリしていると、「鬼のカクランか」といわれた。わが家の温度計では毎日、真夏日。そして、カクランしないようにきょうも夕立が待たれる。

0 件のコメント: