2010年7月18日日曜日

箱庭キュウリ


およそ1カ月前、わが家の軒下に長ひょろい発泡スチロールの箱を置き、夏井川渓谷の畑から持ってきた土を入れてキュウリ苗3本を定植した。支柱を立て、つるの生長に合わせてテープを張った。つるも伸び、葉がすき間なく広がっている=写真。今のところ、3日に一度の割合でキュウリ(1本)を摘んでいる。

キュウリを毎日観察するのは初めてだ。本づるは既に人間の身の丈を超えた。先日、その芯を摘んだ。すると、子づるが伸び始めた。

家庭菜園の指南書は何冊か持っている。たとえば、「子づるは2~3本伸ばし、それ以外の子づる、孫づるは繁茂状況を見ながら葉を2枚残して切り止め、全体の風通しや採光をよくする」とある。夏井川渓谷の無量庵ではほとんど実行したことがない。それでも、結構、実はなった。いい加減な週末菜園だ。

その修正、というか原点回帰の意味も込めて、わが家の箱庭キュウリについては基本を守ることにした。まず、芽かき。下から5~8節の脇芽を摘む。花も、果実も摘む。次に、摘芯。さらに、子づるの伸長と摘芯。朝晩の水やりも欠かせない。軒下にあるから天からのもらい水はない。晴れるとたちまち土の表面が白く乾く。こまめに見て水を補給する。

次から次に葉が大きくなる。ほうっておけば風通しも悪くなる。光も奥まで届かなくなる。傷んだ葉を摘む、そうでない葉も適宜、風通しと採光を考えて摘む。そんなことを意識するようになった。きめの細かさが必要なのに、全く雑だったのだ。

つるが生長し、葉が茂った今は、苗3本にしては箱が小さすぎる、ということも分かった。せいぜい2本。繁茂状態のピークを頭に描けなかった想像力の貧困とけちくささも思い知るのだった。

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