2011年1月8日土曜日

松送り


松の内の7日午後、思い立って田村市の実家へ帰った。今朝(8日)は、兄が正月飾りを片づけ、近くの神社へ持って行った。15日に焚いて送るのだという。それが本来の姿に近いのかもしれない。

いわき地方では前倒しされて、「鳥小屋」が正月送りの行事になった。松の内の7日早朝、人々が持ち寄った正月飾りや古いお札を、方形の小屋とともに焚く。昨年は寝坊して写真を撮れなかったので、今年は早めに起きて準備した。

朝6時すぎ、松飾りその他を新聞紙に包んで鳥小屋の立っている田んぼへと向かった。東の空はうっすら明るみ始めたとはいえ、頭上はまだ黒みがかった群青色。途中、「正月様」を手にした人が一人、二人と合流する。

6時半。稲わらで囲われた小屋に火が放たれた。火はたちまち大きな炎に成長して、周囲に熱を放射する=写真。そのうち、骨組みの青竹が「ボム、ボム、ボム」と音を発し始めた。中の空気が熱で膨張して竹を裂くのだ。そばにいた知人は、この音に小気味よさを感じているふうだった。

細い竹の先にさしたモチを焼いて食べると、一年間、風邪をひかないというので、用意された一本をもらって炎にかざしたが、空気が熱せられて、顔がほてり、「日焼け」ならぬ「火焼け」になりそうだった。

鳥小屋はあっという間に燃え落ちた。モチを食べて帰路に就くと、空は白銀色に変わっていた。7日の朝は、いわきのあちこちで「鳥小屋」が勢いよく燃えたことだろう。

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