2011年1月25日火曜日

鎌田山からの眺め


おととい(1月23日)のブログ「神谷地区新春の集い」の続き。いわき市平の中心市街地から東を望むと、鎌田山が見える。阿武隈高地から流れ下り、中心市街地の北をえぐるように進んできた夏井川は、鎌田山と強固な堤防に挟まれて屈曲したあと、大きく蛇行しながら太平洋へと向かう。鎌田山から河口まではすぐだ。

内藤の殿様が磐城平藩を治めていたころ、鎌田山は殿様の威勢と趣味によって「桜の名所」になり、「弥生山」の美名を持つにいたった。そのいきさつについては、昨年11月下旬に書いた。

今はその鎌田山に大学の建物が立つ。旧神谷村の「新春の集い」が、「黌窓会館」7階のレストランン(学生食堂)で開かれた。何年か前、友人とそこで食事をしたカミサンから「太平洋が見える」と聞いていたので、カメラを持って出かけた。

右岸の最後の丘は專称寺のある平山崎。そこからの眺めがいい。左岸の最後の丘はこの鎌田山。大学と切り通しをはさんだ隣に弘源寺がある。レストランからは寺のある丘がブラインドになって、旧神谷村だけが眼下に広がっていた。

「神谷耕土」と夏井川の間に常磐線と国道6号が貫通し、すきまなく建物が密集している=写真。尾根続きだった北側に平二中がある。平六小(神谷地区)から上がった子どもたちも、この景色を眺めながら登・下校したのだろう。

わが住む地域は実にわかりやすい。線路も、道路もまっすぐ伸びている。それを軸にして人家が形成された。その一軒一軒に、一人一人にこちらのはかり知れない人生がある。そう考えるだけで厳粛な気持ちになるのだった。

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