7日午後、夏井川沿いの県道小野・四倉線をさかのぼって田村市の実家へ帰った。雪はないはずだった。インターネットで田村市(船引)のアメダス情報をチェックしたら、まず大丈夫。実際、田村市は問題がなかった。その手前、田村郡小野町付近に前夜、雪が降ったらしい。小野町の目抜き通りに入ると、道路がところどころ圧雪状態になっていた。
小野町は、いわき市が「住宅」の1階部分だとすると、2階部分に相当する。「階段」に当たるのは夏井川だ。その2階部分がピンポイントで雪に見舞われたらしい。年が明けると、田村市が雪に見舞われた。そのとき、隣接する小野町はそれほどではなかった。数日後、今度は逆の降り方になった。
いわき市の最奥部、川前・五味沢と小野町の境あたりの坂道が一番の難所だ。道端にところどころ杉林がある。道が日陰になる。雪が解ける前に圧雪される。というわけで、冬は難所になるのだ。それが、どうだ。ほとんど雪がない。帰りに見ると、融雪剤(塩化カルシウム?)で白くなっていた=
写真。
往路の続きだ。小野町を過ぎると、阿武隈高地最高峰の大滝根山が見える。7日は強風が吹き荒れた。道端の雪が舞い、ときどき「地吹雪」になる。それがいっとき、急に収まる。大滝根山も頂上が明るいのに、ほかはかげっている。と思った瞬間、雪で山容がぼんやりする。
雪が積もることはなかった。が、たった一分のなかに四季が巡る――ノルウェーのフィヨルドを旅したときと同じような光景が、わがふるさとの“残丘”で展開されていた。
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