2011年1月11日火曜日

冠水対策工事


松の内が明けるとすぐ、家の前の道路で工事が始まった。側溝と道路中央に埋まっている下水道管をパイプでつなぐのだという。

始まりは、去年(2010年)の6月16日朝。土砂降りの雨で家の前の歩道が冠水した。大雨になるといつも冠水する。たまたま近所に用事のあった行政区長さんがそれを見て、家に飛び込んできた。「写真を撮ってください」。歩道は小学校の通学路でもある。冠水をほうっておくわけにはいかない、というのだ。

後日、市役所の職員が現地調査にやって来た。「雨水ます」を取り付ける方向で検討が始まった。しばらくたってから、工事をする業者もやって来た。「雨水ます」の設置場所は一転、二転した。最終的には「雨水ます」を設置せずに、直接、側溝と下水道管をつなぐ工法をとることになったのだろう。

車道のアスファルトを切って土を掘り出す。と、丸太が現れた=写真。松の根っこも出てきた。丸太は土止めかなにかだったのか。松の根は江戸時代の街道松か。

昭和63(1988)年に発行されたいわき地域学會図書2『わが町ウオッチング』にその答えがあった。近所に住む知人が書いている。「以前は、道の両側に壮観な松並木が見られた浜街道も、今は、その松も切り倒され、道幅も拡幅され、快適な舗装道路へと変貌した」。家の前の道路が、その「浜街道」だ。

「浜街道が、生活の道として維持されていたころには、水害などからの道の流亡防止のためや、低湿地での道の地盤強化のためなどの実利に沿った目的によって植えられ、管理されていた松並木も、現在、車の往来に不便であるという理由で切り倒されてしまった」。切り倒したものの、根っこを掘り起こすことまではしなかったのだろう。

丸太がなぜ埋まっていたのかはわからない。作業をしている人たちもしばし考えあぐねていたが、やがてチェンソーで丸太と松の根っこを切り取り、予定通り一日で工事を終えた。地中には想像もつかないものが眠っているようだ。

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