台湾は、今が「尾牙(ウェイヤー)」=忘年会のシーズン。尾牙のあとに1年のうちで最大の行事である「春節」(正月)がやってくる。今年は2月19日が陰暦の元日。前日18日の大みそかから6連休に入る。車道中央の緩衝帯には、夜になるとイルミネーションの“壁画”ができた=写真。春節へのカウントダウンが始まっていた、というところだろうか。
ガイドの陳さんの解説や、4年半前の台湾旅行の際にも顔を見せた級友の知人(システムエンジニア)の話から、年中行事や通過儀礼の日台の違いを感じた。
日本のわがふるさと(現田村市常葉町)でも昭和30年代前半(もしかしたら町が大火事になる同31年まで)は、陰暦で正月を祝ったように思う。陰暦の正月2日に初売りの「二日市」が開かれた。各商店が暗いうちから店を開け、通りは在郷(ムラ)からやって来た人でごった返した。日本もちょっと前までは同じ「陰暦文化圏」だったのだ。
級友とシステムエンジニア氏は日・英語のほかに漢字で筆談した。システムエンジニア氏は陰暦を「農暦」と記した。家庭菜園をやっていると、種をまく時期が気になる。で、太陽暦よりも自然の動きに基づいた農事暦に目がいく。陰暦だと農作業の計画が立てやすい。「農暦」という文字が即座に理解できた。
「農暦」のついでに「還暦」の話を――。旅行仲間の1人が60歳の誕生日を迎え、台湾2日目の夕食の席でケーキと赤いちゃんちゃんこ・帽子をプレゼントされた。幹事苦心のサプライズのはずが、直前に情報がもれたため、早々と「ハッピ・バースデー・ツー・ユー」が行われた。
ホテルに引き上げたあと、訪ねて来たシステムエンジニア氏も、今年60歳になる。「還暦祝いはするのか」と聞けば、「そんな習慣はない」。代わって、男は50・60・70歳、女は51・61・71歳のときに大々的な誕生日パーティーを開くのだとか。
そういえば、ホテルのロビーに着いたとき、風船をいっぱい持った若い女性たちが横切っていった。風船には英語で「ハッピーバースデー」とあった。だれかの誕生日パーティーに向かうところだったのだろう。
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