高速鉄道(新幹線)を利用して台北から高雄へ――。2010年9月の台湾旅行では、台風の影響で高鉄がストップしたため、高雄行きを断念した。そのリベンジも兼ねた台湾再訪だ。2月7日午前10時前に台中駅で高鉄を下りて日月潭へ。午後は台中駅から左営駅(高雄)へと再び高鉄で南下した。
台中駅で初めて高鉄の先頭車両を見た=写真。白い顔にオレンジ色のくちばし、といったところだろうか。「乗り鉄」でも「撮り鉄」でもない人間には、アヒル型かカモノハシ型かはよくわからなかった。
朝、台北のホテルを出るとき、日航の客室乗務員とエレベーターが一緒になった。「(羽田まで)一緒(の飛行機)ですか」と聞くから、「これから高雄へ」「新幹線で?」「それに乗るために来たの」。なんだか小学6年生レベルの受け答えになっていた。
高鉄は台湾の西側平野部を走る。作家の埴谷雄高は台北の南西、新竹で生まれた。詩人の工藤直子は高雄の手前、北回帰線に近い朴子で生まれた。作家や詩人が小さいころ過ごした土地の風景を目に焼きつけようと、高鉄の車窓に張りついていたのも小学生的ではある。
水田では代かきが始まっていた。南下するにつれて田植えの済んだ水田が多くなった。水稲は2期作だという。そういえば、台中から日月潭への道すがら、川沿いにツバメが乱舞していた。日月潭の周回道路には、花桃かと見まごうほど赤みの強い桜が咲いていた。旧正月は、台湾では自然も含めて文字通りの「春節」になる。
台湾高鉄は全長345キロ。東北新幹線でいうと、上野―仙台間348.2キロとほぼ同じだ。
手元に使用済み切符がある。行きは台北08:54分―台中09:43分で所要時間49分、台中15:22分―左営(高雄)16:06分で44分。翌8日の帰りは左営10:54分―台北12:30分で1時間36分。このとき、毎時292キロの表示を確かめたが、知らない間に300キロまで出ていたのだろうか――。
北回帰線をいつ、どこで越えたのか、わからなかったのが少し心残りだった。
0 件のコメント:
コメントを投稿