いわき市が発行する「いわきブランド農産品通信」(タブロイド4ページ)は、季節ごとに新聞に折り込まれる。61号は2014年12月~2015年2月の「冬号」でもある。間もなく「春号」が配られることだろう。
いわきの農産物についての情報を広く手に入れることができる。「冬号」では、四倉の長ネギ生産農家が紹介されていた。新聞に折り込まれたときには見落としたが、先日、カミサンがどこからか手に入れてきたのを読んだ。
いわきの昔野菜に当たるかどうかはわからない。が、ネギの記事には①海に近い砂地で栽培している②葉の部分は青々としている③甘くてやわらかく、子どもでも食べやすい④冬季だけ「道の駅よつくら港」で直売している――とあった。次の日、道の駅へ車を走らせて長ネギを買った。
まずは、わが家の定番のジャガイモとネギのみそ汁にする。夏井川渓谷で栽培している三春ネギと比べると、やわらかさは同じだが、甘みはさっぱりしている。日曜日(2月22日)には、魚屋さんからもらってきた養殖タイとネギのあら汁にした=写真。ゆうべ(2月26日)はマーボー豆腐に加えた。
台湾を旅行したとき――。ニラや葉ネギのほかに、白根の長ネギを食べた。事前に調べておけば、いろいろ質問してガイド氏を悩ませることができたのだが。あとで検索したら、ブランドネギの「三星ネギ」らしかった。葱餅(ツォピン=ねぎもち)、鶏肉とネギの鉄板焼き、牛肉と白ネギの炒め物、スープ、……。いろんなネギ料理があるものだ。
京都では青ネギ(葉ネギ)の九条ネギを食べた。会津の大内宿では、観光客が曲がりネギを一本箸にしてそばを食べていた。ベトナムやカンボジアでもネギを食べたが、葉ネギだった。
旅行するごとに、年を経るごとに、頭の中にいわきと日本、アジアのネギ地図が書き込まれる。日本では白根をつくるのに土寄せをするが、台湾では幅の広い高畝にして、稲わらで畝を覆って白根をつくる。そんなことが、少しずつだがわかってくる。
今はいわきで最後のお勤めをしている郡山市出身の同級生と、台湾旅行中にネギの話になった。子どのころ食べた曲がりネギの味が忘れられないという。阿久津曲がりネギだろう。いわきでは食べられないというから、冬になるとヨークベニマルで売っていることを教えてやった。
そうだ、千葉県では台風が襲来したとき、海水を大量に含んだ潮風の影響で農作物がだめになった。そのとき、ネギだけが塩害を免れた。しかも、いつもより味がよかったという。
で、それをヒントに、栽培中に5~6回海水を散布するようになったら、ブランドネギ「九十九里海っ子ねぎ」が生まれた。四倉のネギも海に近いのだから、一部、試験的に海水を散布してみてはどうだろう。「四倉浜っ子ねぎ」なんてものができるかもしれない。
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けさの新聞に、「福食だより」というレシピ集(タブロイド24ページ)が折りこまれていた。いわき市の農・海産物プラス広野町の塩の「地産」「旬味」が紹介されている。「ine いわき農商工連携の会」が発行した。
ざっと目をとおした限りでは、福島県の「ふくしまからはじめよう。若い力による風評対策提案事業」に採択されたことで始めた事業らしい。生産者と生産物と若手料理人の“三者会談”による、新しい食べ方が提案されている。手元に置いてじっくり読んでみるとしよう。
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