2015年7月23日木曜日

涼風とハトとタクシー

 わが家は、茶の間に熱がこもる。冬はいいのだが、夏は暑すぎて仕事にならない。それどころか、注意力が散漫になる。朝、神棚にあげるごはんを冷蔵庫にしまおうとしたのは、頭の老化でなければ熱中症の前兆現象にちがいない。
 店(米屋)から自宅の玄関までは南北一直線に風が通り抜ける。茶の間は風の通り道のわきにある。空気がそよとも動かない。そのうえ、南は庭。照り返しが背中を焼く。扇風機を動かしても、天井部にたまった熱は抜けない。茶の間の温度はこのところ連日、30度を超えている。

 きのう(7月22日)の夕方、とうとう近所のおじ(故人)の家に“避難”した。今は誰も住んでいない。南側に幼稚園と民間の空き地(駐車場)が広がる。家が建て込み、海からの風が遮断されたわが家と違って、おじの家ではまだ涼風が吹き抜けていく。

 風になでられながら、横になって本を読んでいると、ときどき上下のまぶたがくっつく。わが家では暑くて昼寝もままならなかった。気がつくと、午後6時近くになっていた。
 
 玄関のあがりかまちに、来たときにはなかった段ボール箱があった。ばらして燃やすごみとして出すことにしていたという。ン? 中に白いハトの置物がある。いや、生きたハトだ=写真。カミサンに聞けば、「何も入れてない」「ハトがいる」「エッ」
 
 よくわからないが、私より少しあとに白いハトが飛び込んできて、段ボール箱の中で羽を休めていた。カミサンが容器に水を入れて段ボール箱に置こうとした瞬間、ハトは勢いよく飛び立った。ケガをしている様子はなかった。足環もしていなかった。
 
 ハトも熱中症の一歩手前までいって、たまらず人間の家に避難したら、いい休み場があった、ということだったのかもしれない。
 
 涼風と白いハトに心を奪われたためか、6時半開始の飲み会の時間が迫っていることをすっかり忘れていた。カミサンも午前中は、夜、飲み会があるとわかっていたそうだが、午後になって暑さにげんなりしているうちに忘れてしまった。
 
 わが家に戻り、行政区の役員さんに電話をしようと、たまたまそばのカレンダーに目をやったとき、飲み会の予定が入っていることを思い出した。あわてて着替え、タクシーを呼んで出かけた。
 
 きょうはこれから外歩きをする。曇りがちなのでよかった。が、飲み物は携帯しよう。

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