2017年3月14日火曜日

主役は「いわきねぎ」

 日曜日(3月12日)にアリオスわきの平中央公園で、いわきのブランド「いわきねぎ」をPRするイベントが開かれた=写真。題して「いわきねぎを食べ尽くせ!~ねぎが主役になる日~」。いわき市農業生産振興協議会が主催し、共催にJA福島さくらいわき地区本部、ふくしまFMなどが名を連ねた。FMいわきではなく、ふくしまFM内に事務局がおかれたのにはわけがあるのだろう。
 ネギは加熱すると甘くやわらかくなる。土がついたままのネギを網焼きにし、外の皮をはがしてアツアツの白根を根っこの方からがぶりとやる。チラシに「いわきカルソッツ」なんていう言葉があったから、なんだと思って検索したら、“焼きネギ”で有名なスペインの“ネギ”(カルソッツ)にたどりついた。食べ方にあやかったわけだ。

 焼きネギコーナーのほかに、市内料理店による「ねぎづくし屋台村」が設けられた。知っているところでは平の中華料理店が出店し、若いシェフが「ねぎまん」を売っていた。小川町の生産者もいた。

「いわきねぎ」と「ねぎまん」を買った。その晩、焼きネギを酒のつまみにした。翌朝は、ジャガイモとネギの味噌汁にして味を確かめる。

 私は、中通りの田村郡で生まれ、「三春ねぎ」を食べて育った。ネギとジャガイモの味噌汁を、ネギの好みを測る目安にしている。「三春ねぎ」は「しっかりした甘み」、同じ中通りの「阿久津曲がりねぎ」は「濃厚な甘み」だ。それらに慣れた舌には、「いわきねぎ」の「ほんのりとした甘み」は物足りない。「ねぎまん」は逆に、さっぱりしていて口に合った。

 以前、昔野菜の「いわき一本太ねぎ」を栽培している塩脩一さん(平)に、いわき地方のネギの歴史を聞いたことがある。ブランドの「いわきねぎ」と、地ネギの「いわき一本太ねぎ」は別物だと知って納得がいった。

『いわき昔野菜図譜』(いわき市発行、2011年3月)によると、「いわき一本太ねぎ」は風が吹くと倒れやすく病気に弱いなど、栽培に手間がかかることから、品種改良が進み、栽培しやすいものが主流になった。その結果、「いわき一本太ねぎ」は市場から姿を消した。「いわきねぎ」を考えるときに忘れてはならないポイントだ。今の「いわきねぎ」はすき焼きに向いている。

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