殺風景な庭にも色が戻ってきた。スイセン、スミレのほかにクリスマスローズが咲いている=写真。名前はクリスマスローズだが、春咲きだ。ほんとうの名前はなんというのだろう。「ハルザキクリスマスローズ」という言い方もあるようだが、それでも違和感は残る。
4月1日。年度が替わった。地面が濡れている。雨上がりの曇り空だ。あとでまた降るかもしれない、という意味では、雨模様の朝。ゆうべ、飲みすぎて頭が重い。こちらも雨模様だ。
「雨模様」は、今にも雨が降り出しそうな空模様をいう。が、雨が多かったり、雨が降っていたりする意味に誤用している例がある。若いときから『記者ハンドブック』(新聞用字用語集)になじんできた者は、誤用が気になってしかたがない。
でも、誤用や珍解釈、連想には人間性があらわれる。このごろ、すっかり流行語と化したソンタク=忖度について、こんなやりとりがあった。未使用の乾電池などが入っている容器を出しっぱなしにしていたら、カミサンがとがめた。「なに、これ? 使い終わったら片づけて」「ソンタクして片づけてくれよ」「センタク(洗濯)はするけどソンタクはしないの」
朝から晩までノートパソコンをいじっていると、夕方には目がかすんではれぼったくなる。ドライアイか――いやいや、「ス」のついたドライアイスか――となって、われながらがっかりした。老化現象だろう。
若い人も負けてはいない。「戒名(かいみょう)」を「改名(かいめい)」の意味でとらえていた。「改名(かいみょう)」でも誤用だが、まあ違いがわかっただけでもよしとすべきだろう。気になったら辞書を引く。とにかく確かめることだ。
きのう夕方、区の役員さんに回覧資料を届けたら、玄関に出てきた奥さんが空を見上げながらいった。「雨模様ですねぇ」。正確な言葉遣いに感動したのだった。
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