2017年4月15日土曜日

庭にアミガサタケが

 きのう(4月14日)朝、店(米屋)の用事で運転手を務め、配達から帰って庭に車を止めた。「あらっ、キノコ!」。カミサンが助手席から降りるなり叫ぶ。急いで回り込む。庭の花壇のへりにアミガサタケが頭を出していた=写真。まだ幼菌だった。
 アミガサタケは優秀な食菌だ。春、空き地や人家の庭、路傍などに生える。夏井川渓谷では、友人の家やわが隠居の庭でも見られる。

 隠居の庭は3年4カ月前の師走、全面除染の対象になって土を入れ替えた。しばらく地上性のキノコは出ないないだろうと思っていたら、去年(2016年)の春、シダレザクラの樹下にアミガサタケが発生した。4本のうち3本を採って、バター炒めにした。山砂に胞子が含まれていたのかもしれない。あるいは、除去された表土より深く菌糸が残っていたのかもしれない。

 市街のわが家の庭に現れたのは初めてだ。渓谷の隠居の庭からなにかをレジ袋に入れて持ち帰り、袋をひっくり返して葉っぱや土を捨てた中にアミガサタケの胞子が含まれていたか。

 わが家の庭では、生け垣のサンゴジュやマサキが菌にやられたことがある。腰のあたりで二マタになったプラムも、片方がカワラタケにやられたので除去した。

 アミガサタケは、柄も頭部も中空だ。丈はまだ5センチにも満たない。頭部の網目の間のくぼみ(ここに胞子が形成されるそうだ)は黒っぽい。その色が、頭がどう変化するのか。1週間は観察してみる。そのあとバター炒めにしてもいい。久しぶりに「ラディ」でアミガサタケのそばを測ったら、地面すれすれで毎時0.15マイクロシーベルトだった。

 渓谷を、街を、野原を、杉の花粉ばかりか、キノコの胞子が飛び交っている。空に浮かんでいる胞子は見えないが、胞子の存在を想像することはできる。その空に、おととい、胞子に比べたらとてつもなく大きいツバメが飛んでいた。今年初めて見た。地面も空も春である。

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