2017年4月24日月曜日

孫と遊ぶ

 上の小4の孫が10歳の誕生日を迎えたので、カミサンが電話をかけた。誕生日プレゼントを“えさ”に連れ出して、下の小2の孫も含めて日曜の午後を一緒に遊ぼう、というわけだ。運転手を務めた。
 下の孫はゲーム用のカードが、上の孫はプラモデルがほしいという。売っている店は鹿島街道、いわき駅近辺と異なる。カミサンはカミサンで、夏井川渓谷の隠居の庭にあるシダレザクラの花を見たがっている。買い物途中で渋る孫を隠居へ連れて行った。

 ちょうど1年前、孫たちは隠居の庭で“水路遊び”をした。風呂場からホースを伸ばして水を流すと“峡谷”ができた。今年はあいにく井戸のポンプが故障している。水が出ない。スコップや草引きで崩れた“水路”を修復したあと、近くの小流れ=写真=からバケツで汲んで来た水を流しては歓声を上げていた。

“水路”修復中に乾電池をガムテープでくるんでつくった戦車が出てきた。去年、“水路”の“崖”の上に置いたのが、忘れられてなかば土に埋まっていたのを掘り出したのだった。
 
 隠居の庭に猫の墓がある。先の暴風で倒れたスイセンの花を切って下の孫に手渡し、猫の墓にたむけるようにいう。花を受け取った孫が茎を口に持っていきそうになったので、「スイセンは毒!」と注意すると、手の動きが止まった。

 1年前、たまたま隠居に遊びに来た知人が孫の“水路遊び”を見て、「学問の始まりです」といった。遊びのなかから、土木や防災、歴史、自然などへの関心が芽生える、ということだろう。1年後、孫たちは井戸水に代わって近くの小流れの水を利用することを学んだ。「おじいさんは山へ柴刈りに、おばあさんは川へ洗濯に……」に通じる暮らしの原型のようなものだ。

 シダレザクラは満開を過ぎて散り始めていた。カミサンは、「咲いても誰にも見られないのではかわいそう」と思っていたそうだが、花と対面して満足していた。
 
 さて、マチに戻り、目当ての大型店へ行くと、上の孫はプラモを買い、下の孫は100円を投入し、カードをゲーム機の画面に当てて動かした。初めてデジタルカードゲームというのを見た。アニメのドラゴンボールだった。これが今の子どもたちの「サバイバルゲーム」なのか。

 しめくくりは、いつもの魚屋さんへカツオの刺し身を買いに――。教材用なのか、アンコウの骨格、アブラザメの頭部と尾ビレが飾ってある。アブラザメは和名アブラツノザメ。肝油やかまぼこなどの練り製品の原料になる。刺し身にしてもうまいという。下の孫はアブラザメの歯にさわってその鋭さにびっくりしていた。

 ゲーム機では倒された相手は何度もよみがえる。が、現実の自然にはスズメバチがいる、マムシがいる、サメがいる、スイセンがある。命取りになりかねない生物の存在を体で覚えないといけない。孫たちは少しばかり、ほんとうの「サバイバルゲーム」を体感したことだろう。

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