2017年4月25日火曜日

鳥の羽根の話

 鳥の羽根を、ノートパソコンの画面に付いたほこりを払う「ほうき」にしている。
 前はカラスの羽根を、今は大人の中指より少し長いくらいの羽根を使っている。夏井川渓谷の隠居の庭に落ちていた羽根を拾った。羽根の模様からするとタカだが、小さすぎる。キツツキか。いや、ほかにも似たような模様の羽根をもっている鳥がいる。よくわからない。
 
 使い続けているうちに、羽根の先端が摩耗した。なんでもいい、新しい羽根がほしい――代替品を探していたら、家の玄関前に落ちていた。色からするとカラスのものらしい羽根が1本、どこからか風に飛ばされてきたのだ=写真(左が新しい羽根、右が古い羽根)。
 
 古い羽根と一緒に、根元を輪ゴムでぐるぐる巻いて、画面のほこりをなでるように払っている。画面を傷つけるのでは、という心配がきれいに解消された。
 
 もうひとつ――。市から「緑の羽根」募金の協力要請がきて、各隣組に羽根とチラシなどを配った。
 
 募金には応じても、緑の羽根を上着に付けている人は、政治家か公務員以外は見当たらない。日曜日(4月23日)午前、地元の長寿会の総会が開かれた。招かれて地元の3行政区長が出席した。人生の先輩でもある北隣の区長さん(元公務員)が緑の羽根を用意していた。公式の場だから――ということなのだろう。
 
 背広のえりのボタン穴にでも刺そうとしたら、針がない。「貼るだけでいいんだよ」といわれた。羽根の裏側になにやら紙が付いていて、赤く矢印が書かれている。それをはがしてえりに付ける。シールタイプの羽根だった。いやあ、緑の羽根も進化するものだ。
 
 隣組の世帯数に応じて緑の羽根を配るのだが、本数から袋詰めまでカミサンに頼んでいたので、針からシールに変わったのに気づかなかった。<おい、おい>と羽根で軽くなでられたような気分になった。

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