このごろは宵のテレビ視聴が変化しつつある。地デジでニュース番組を見るのは変わらない。が、カミサンに引っ張られて、早い時間からBSで時代劇を見たりする。
すると――。その時間ばかりでもないのだろうが、筋肉痛や神経痛、手足のしびれなどに効くなんとか薬品、といったCMがやたらと目に付く。
こちら(視聴者)にも心当たりがある。ときどき目がかすむ。ひざが痛くなる。手足がしびれることもある。
つい身を乗り出して見る。番組が終わってから30分以内に電話をかけてください、あるいは初回限定でいくらいくらまで安くなります……。
ほかにも医療保険、介護サービス、カツラ(ウイッグ)など、シニア向け商品のCMが目に飛び込んでくる。
たまたま地デジで若いタレントが出演する番組を見ていたら、CMはちょっとしたマチならどこにでもある、あのマークのハンバーグだった。
ああ、そうか――。シニア世代は、あんな分厚いハンバーグは口にしない。スポンサーは番組の主な視聴者を対象に商品を売り込む。つまり、シニアは念頭にないということだろう。
前に雑誌やテレビ業界の内側を伝える本を読んだことがある。そのときに知ったのは、世代・性別による絞り込み(雑誌)、そしてテレビの「コア視聴率」や「視聴率区分」といったことだった。
視聴者はC(チャイルド=4~12歳)、T(ティーン=13~19歳)、それ以上は男女のM(マン)・F(フィーメル)を冠したM1・F1(20~34歳)、M2・F2(35~49歳)、M3・F3(50歳以上)に区分される。
つまり、放送する側は主に何層をターゲットにするのか、世代・性別8区分を意識して番組を製作する、ということのようだ。
BSの時代劇をCMから逆にたどると、「コア視聴者」はM3・F3のシニア世代ということになる。
そんなことを考えていたら、11月中旬の県紙に、シニア向けの全面広告=写真=が3本も入っていた。
冒頭に紹介したような関節痛・神経痛・筋肉痛などに効く医薬品、耳の「キーン」「ジージー」を蜂の子パワーで解消、もの忘れに効く脳内核酸――と、いずれも通販の広告だった。
テレビか活字かは関係がない。新聞もすっかり高齢者が「コア読者」になってしまったということだろう。
もっとも、とうの昔から若者のオールドメディア=新聞・テレビ離れはいわれていたことだが。
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