もう1カ月前になる。いわき市文化センターで家庭教育支援者いわき地区研修が行われた。
那須塩原市在住の親業訓練シニアインストラクター大屋弘子さんが「コミュニケーションスキルを高めよう」と題して講演した。
地域の青少年育成市民会議に関係しているので、事務局(公民館)のスタッフと一緒に聴講した。
内容としては現役バリバリの親業、つまりは小中学生を持つ親を対象にした家庭教育講演会だった。
とっくに子育てが終わった身としては、手遅れながらも自分の親業を反省する機会にはなった。
その反省を、親業を実践している現役へのアドバイスに生かすしかない。そんな思いで今もときどき講演資料=写真=を読み返している。
講演のテーマにもなった「コミュニケーションスキル」とはこの場合、「親子の会話術」のことだろう。
子どもの心を閉ざす対応=親子の会話を壊しやすい「おきまり」の12の型があるという。例えば「3分間スピーチ、やりたくない」と言っている子どもに対する親の態度。
命令(皆がやるんだから、やりなさい)、脅迫(やらないと成績に響くよ)、説教(人間は我慢してやらなければならないことがあるのよ)から始まって、提案・講義・非難・賞賛・侮辱・解釈・尋問・ごまかしと続く。
提案は「原稿用紙に書いて、読んだらどう」、非難は「まったくダメな子ね」、侮辱は「たった3分でしょう、情けない!」などだ。
では、子どもの心を開く聴き方とは? 共にいる・沈黙・あいづち・うながしがキーワードで、子どもの話を受容し、共感しながら正確に聴くことが大切なのだとか。
そして、子どもの心に届く話し方とは、「わたし」を主語にして、率直に自分を語ることだという。
たとえば、子どもが返事やあいさつをしないとき。「返事もあいさつもできないのか! 全く情けない」といった「あなたメッセージ」(子どもに対する指示や命令)では子どもに届かない。
そうではなくて、「名前を呼んでも返事がないし、おはようって言っても黙っていられると、テンションが下がっちゃうし、つまんないな」と、「わたしメッセージ」に切り替える。
そのうえで「『おはよう』ってあいさつが返ってくると気持ちがいいな」といった肯定の感情も伝える。
要は、一方通行ではなく、肯定の感情(うれしい・ほっとする・助かるなど)も伝えながら、子ども自身が答えを出していくように持っていく、ということなのだろうと理解した。
すでに卒業した親業としてはともかく、「夫業」としても応用が利くかもしれない。あるいは、地域の子どもに対して、広く肯定の感情を抱くことは可能かもしれないと思ったがどうだろう。
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