日曜日には夏井川渓谷にある隠居へ出かける。途中、小川町・三島で夏井川と国道399号(県道小野四倉線)が接する。
そこはハクチョウの飛来地。朝の9時過ぎに通ると、多いときには200羽以上が羽を休めている。
ずっと下流、わが生活圏の夏井川(新川合流部)にもハクチョウが飛来する。もともとは平窪で越冬していたのが、上流の三島、下流の新川合流部にも分散して冬を越すようになった。
堤防を散歩していたころは、冬、ハクチョウ・ウオッチングを日課にしていた。ときどき岸辺にも立った。ドクターストップがかかった今は、車で通りすぎるときだけのウオッチャーでしかない。
新川合流部だけの「通りすがり観察」でいえば、ハクチョウは午前10時過ぎには、あらかた夏井川から姿を消す。
むろん、そうでない日もある。2月4日は昼前、新川合流部に100羽以上、下流のサケやな場(今季はすでに撤去)付近にも100羽以上が休んでいた。
先日は朝9時半ごろ、街へ行くのに堤防を通ったら、小群が飛び立ったばかりだった=写真。
別の日の昼前、夏井川河口の右岸堤防を通ると、屋敷の奥に広がる田んぼでハクチョウがえさをあさっていた。
枯れた二番穂もついばむのかどうか、気まぐれウオッチャーにはわからない。が、そこがえさ場になっていることを初めて知った。
田んぼのハクチョウは、これまで平窪や赤井、神谷のほかに、長友(四倉)方面で見ている。
沿岸部では、夏井川右岸の丘を越えた滑津川流域の田んぼでもえさをついばんでいた。そして今回は、マツ林をはさんで海岸道路と隣り合う下大越の田んぼだ。
ハクチョウたちは夏井川を往来の目安にしているのかもしれない。神谷地区では朝、ハクチョウが「コー、コー」と鳴きながら、それぞれ沿岸部と内陸部の方向に分かれて飛んでいく。
夕方はその逆で、沿岸部と内陸部から新川合流部に戻ってくる。4時半になると、堤防のそばに住むおばさんがえさをやる。その時間も頭に入っているにちがいない。
ありがたいことに、野鳥の会いわき支部から支部報が届く。今はいわきを離れた知人によると、ハクチョウは2005年1478羽、2006年1420羽と、15年ほど前は1400羽を超えていた。
ところが、最近は減少傾向にある。環境省主催の全国一斉ガン・カモ類調査が1月に行われる。
一昨年(2023年)の場合、夏井川ではコハクチョウが平窪35羽、三島255羽、塩・新川365羽の計653羽だった。
去年は、平窪85羽、三島111羽、塩・新川123羽の計319羽と、前年の半分以下だった。
考えられるのは平窪でのえさやり自粛(もうずいぶんたつ)と、暖冬で南下する個体数が減ったことかもしれない、と知人はいう。
令和元年東日本台風からの強じん化工事が続いている。それも関係していると思うのだがどうだろう。