第12回いわき昔野菜フェスティバル(同野菜保存会主催)が2月9日、中央台公民館で開かれた。
午前10時から午後3時までイベントが続き、種の交換会と栽培相談会(午前と午後の2回)、種と写真の展示も盛況だった。
午前は予約制による「ペットボトルプランターで昔野菜を育ててみよう!」(定員20組)と、昔野菜の「おいしい菜」や「白いんげん豆」などを使った「料理教室」(定員20人)で、参加者はそれぞれに分かれて実技に取り組んだ。
午後は、昔野菜を使った郷土料理の試食会(昼食)のあと、「昔野菜のことを考えよう!」をテーマに、講演会と座談会が行われた。
ペットボトルプランターづくりは、一般社団法人シーズオブライフのディレクター坂田奈菜子さんが担当した。
料理教室はイタリアンレストラン「テラッツァ」(いわき)のシェフ星真帆さんが講師になった。
試食会では、郷土料理の「じゅうねん」(エゴマ)と「むすめきたか」(アズキ)を使った牡丹餅(ぼたもち)と「のっぺ汁」が提供された。
講演会は、東日本大震災直前の第1回フェスティバルから講師を務めている江頭宏昌山形大教授が担当した。
江頭さんは2年ぶりの登壇で、「在来野菜の全国の取り組みの現状」と題して、主に農業・食品産業技術総合研究機構(農研機構)が2024年3月に正式公開をした「在来品種データベース」の中身を紹介した。
公開された在来野菜は291種で、これはすべて江頭さんの調査研究をベースにしている。
あとで同機構のホームページを開き、在来品種のデータベースをのぞいた。「いわき」で検索すると14件(種)がヒットした=写真。
公開されているいわき市内の在来種は、作物名(品種名)でいうと、キュウリ(小白井きゅうり)・ゴボウ(おかごぼう)・ササゲ(十六ささげ)・エゴマ(じゅうねん)・インゲンマメ(親孝行豆=うずら豆)・アズキ(むすめきたか)・ユウガオ=カンピョウ(ゆうがお)・キュウリ(昔きゅうり)・ゴマ(黒ごま)・ネギ(いわき一本太ねぎ)・ラッカセイ(らっかせい)・ダイズ(さとまめ)・ダイズ(のりまめ)の13種。
残る1種は茨城県常陸太田市の「アズキ(娘きた)」で、これに関しては「福島県いわき市三和地区にも類似のアズキ在来種『むすめきたか』がある」と紹介していることによる。
データベースには、生産地や作物名、品種名のほかに、栽培方法や品種特性、由来・歴史、伝統的利用法、栽培・流通の現状、継承の現状、参考資料などが掲載されている。在来作物(昔野菜)を広く知るうえで大いに参考になる。
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