2025年2月6日木曜日

休館はやはり痛い

                      
   つきあいのある書店から毎月、岩波書店のPR誌「図書」が届く。紹介されている本で読みたいものは、図書館のホームページを開いて蔵書の有無を確かめる。

貸出中、あるいは予約中でなければ、すぐ借りに行く。むろん、ときどきは書店に頼んで本を買う。

「図書」でとりわけユニークだった論考がある。地球科学が専門の「マグマ学者」、巽好幸さんが書いた「和食文化を育む世界一の変動帯、日本列島」だ(2022年2月号)。

 和食の本質に迫るには、特色ある食材がどのような自然によって育まれたのかをきちんと理解する必要がある。

それには地球上で最も震源地や火山が密集する「変動帯」日本列島で、和食を育む自然が誕生した地質学的な背景を知ることが大切だという。

巽さんは「美食地質学」の観点から、『和食はなぜ美味しい――日本列島の贈りもの』(岩波書店)という本を書いた。

図書館のホームページで検索すると、「民俗学」ではなく「地球科学」のコーナーにあった。これも新鮮な驚きだった。さっそく借りて読んだ。

師走には築地書館発行のPR誌「築地書館ニュース2025」が届いた=写真。自然科学系の本をかなり出している。

紹介されている本が図書館にあるかどうか、全部チェックした。あらかたは収蔵されている。

「動物、植物、微生物が支え合う世界を描く」本、たとえば『互恵で栄える生物界』や『森のきのこを食卓へ』『菌根の世界』『もっと菌根の世界』は既に読んでいた。『枯木ワンダーランド』は、図書館にあるのを確かめて、借りて読んだ。

築地書館ニュースがPRしている本だけでも、未読のものがかなりある。それはいずれ借りるとして、問題は図書館が2月25日まで臨時休館に入ったことだ。

いわき市内の6図書館と2台の移動図書館は情報システムでつながっている。その機器更新のために、2月3日から23日間、臨時休館に入った。ホームページでの資料検索もその間はできない。

 それを見越して、休館前に本を10冊借りたのはいいのだが……。読みたい本があって、図書館にあるかどうか確かめようとしたら、「あっ、そうだった」。休館中はホームページも利用できない。頭に入っていたはずだが、ついついふだんの癖が出た。

 新聞を読むためだけに図書館を利用する人がいる。休日、受検勉強をしに来る中・高校生がいる。

自宅にいながら、図書館のホームページ、とりわけいわきの新聞や地図、絵はがきなどを収めた「郷土資料のページ」で情報を得る人間がいる(私もそのひとり)。図書館の休館はやはり痛い。

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