わが家で使っているマッチ棒は、頭が赤い。手のひらに載る小さなマッチ箱(並型)に入っている。
箱のデザインはレトロ調で、朝日をイメージした円から競走馬の顔と前脚がはみ出している。
右上隅にはアルファベットで「ASAHIUMA BRAND」(アサヒウマブランド)とつづられている。
箱の反対側には「旭馬印マッチ」の文字と注意書き。そして、製造業者である日東社の名前が印刷されている。
ネットで調べたら、日東社は姫路市に本社のある日本最大のマッチ製造業者だった。しかも、旭馬印は一部の地域でしか取り扱われていないために、希少価値があるという。
別の場所に大きなマッチ箱(徳用型)を置いている。これも旭馬印だ。並型のマッチ箱に付いている「側薬」(そくやく=こすって火を起こす摩擦面)が有効なうちは、マッチ棒がなくなると徳用箱から補充する。
石油ストーブは乾電池による自動点火だった。が、今はマッチで点火している。2月14日も同じようにマッチを取り出して点火しようとしたら……。マッチの頭が赤色ではなく緑色だった。
カミサンに聞くと、義弟の住まいだった隣家から小さなマッチ箱が出てきて、中に緑色のマッチが入っていた。それを、旭馬印の並型マッチ箱に詰め替えたのだという。
カミサンの実家は下の義弟が跡を継ぎ、最近まで米屋と雑貨・たばこ屋を兼ねていた。雑貨の中には徳用・並型のマッチ箱もあった。日本のたばこだけでなく、外国のたばこも扱っていた。
上の義弟は体調を崩す10年ほど前まで、たばこを吸っていた。もとは実家に住んで米の配達をしていた。おそらく実家から手に入れたマッチ箱に違いない。
喫茶店が全盛のころは、どこでもサービスとして小さなマッチ箱を提供した。カミサンも喫茶店だけでなく、てんぷら屋や温泉旅館その他のマッチ箱を集めていたことがある。
義弟は義弟で切手などを収集する趣味を持っていた。そのコレクションの一つとしてマッチ箱を残しておいたのだろう。
カミサンが緑色のマッチが入っている箱を持ってきた=写真。旭馬と違って、変わったデザインだ。
しばらく検索を続けていたら、全く同じデザインの外国のたばこがあった。アメリカの銘柄だった。
そこからさらに絞り込むと、マッチ箱とデザインが同じ「クール・ナチュラル8・ボックス」というたばこに出合った。
日本限定の商品らしく、2012年9月に発売が開始され、2018年2月に終了したという。
ついでに、マッチ棒の頭の色も調べた。白・黒・青・茶……と、緑色や赤色のほかにもさまざまな色のマッチがある。
だから、どうなの?といわれそうだが、延々と調べ続けて、やっと答えにたどりついた。ジイサンにとってはけっこうな暇つぶし、いやバレンタインプレゼントになった。
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