梅雨入りしたばかりだというのに、梅雨が明けたような猛暑になった。極端な天気の変化に体がついていけない。6月15日の日曜日はこんな具合だった。
前日の14日昼前、東北地方の梅雨入りが発表された。南部の梅雨入りは平年より2日遅く、前年より9日早い。
同日午後には雨になり、翌日曜日になってもやむ気配がなかった。予報では、10時ごろには雨が上がるというので、小雨の中を夏井川渓谷の隠居へ出かける。
すると、北西の方角が少し明るくなり、雲のすき間に青空がのぞくようになった。平から小川へと進むにつれて雨がやみ、小川江筋の取水堰がある三島橋付近から見える山には、湯気のような水蒸気がたなびいていた=写真。
ところが、である。渓谷の隠居に着いたとたん、また雨になった。雨ではなにもできない。ネギの溝づくりは来週以降にする。
カミサンは傘をさして高田梅を収穫した。カミサンの知り合いがこれを梅干しにしてくれる。そばかすがあっても大丈夫だという。収穫がすむとすぐマチへ戻った。
午後は一転して雨雲が去り、青空が広がった。すると、気温が急上昇した。今季初めて茶の間のガラス戸を開け、扇風機を回した。蚊取り線香もたいた。
いわき市南部の山田では最高気温が29.9度と真夏日の一歩手前、小名浜でも25.8度と夏日になった(両地区は16日も夏日、17日はさらに暑くなって、小名浜はなんと6月観測史上最高の34.5度にまで達した)。
日曜日の夕方、いつものように魚屋へ刺し身を買いに行く。神谷地区に隣接する草野地区の住民が言っていたそうだ。
「今年(2025年)は夏井川の水が多い、神谷で圃場(ほじょう)整備をしていて、水を使わないからだろうか」
中神谷地区の圃場整備はかなりの面積に及ぶ。県のホームページによると、対象面積は64.8ヘクタールで、今年はここでは稲作を中止している。つまり、小川江筋の水は使わない、ということになる。
私はマチへ行った帰り、堤防を利用して夏井川を見る。この時期は流域の水田に水を供給してやせ細り、場所によっては川底をさらしている。
今年はちょうどそこ(左岸域)で工事が進められているため、5月下旬から堤防を行き来できなくなった。
堤防に出れば下流・草野地区の住民と同じ感想を抱くかもしれない。で、翌月曜日、国道6号の夏井川橋のたもとから犬猫病院まで、いつもの堤防を車で走ってみた。
確かに、この時期にしてはたっぷり水が流れている。「川中島」がどこにもない。雨が多いのもあるが、やはり中神谷の圃場整備が大きいのかもしれない。
「水が多い」。下流の住民にとっては、そばを流れる夏井川を見て暮らしているからこそわかる変化だった。