2025年6月12日木曜日

特別整理期間

                                            
 いわき市立6図書館で順次、図書の特別整理が行われている。この時期恒例の休館で、5月12~17日の四倉を最初に、内郷、常磐、勿来と続き、6月9日からは14日まで小名浜が休館中だ。

 小名浜まではいずれも6日間の休みだが、最後に行われるいわき総合図書館は6月16~27日の12日間だ。期間が長いのは、ほかの図書館より蔵書数が飛び抜けて多いからだろう。

 総合図書館はいわき駅前のラトブに入居している。わが家からは車で10分ほどだ。家にある本を探すより、図書館から借りて来る方が早い――そんなケースが増えてきた。新着図書もチェックしたい。というわけで、総合図書館へはたびたび出かける。

 本を読まないと落ち着かない年寄りには、やはり長い休館はこたえる。毎年のことながら、特別整理に入る前にはいつもより多く本を借りる。食料の「買い出し」ならぬ本の「借り出し」だ。

個人で借りられるのは最大15冊、期限は通常14日間で、休館を見越して6月5日に6冊を借りた=写真。貸出期限票には、返却日は7月1日とあった。休館の12日を加えて26日間、手元に置ける。

読みたい本をメモした紙片が手帳に何枚もはさんである。まずは図書館のホームページで本の有無をチェックし、あれば貸し出しが可能かどうかを確かめる。

 エマニュエル・トッドの『西洋の敗北』は、いつチェックしても「貸出中」だ。今回も借りられない。

まずは詩集を4冊。藤川幸之助『手をつないで見上げた空は』『満月の夜、母を施設に置いて』と、ウクライナの詩人で画家の『シェフチェンコ詩集』、そして新着図書コーナーにあった金子光晴の『老薔薇園』を借りる。

ほかには、レイチェル・カースン『われらをめぐる海』、ダイアン・アッカーマン『感覚の博物誌』。この6冊でほぼ1カ月をもたせる(後日、また2冊を借りた)。

岩波文庫の『シェフチェンコ詩集』(藤井悦子編訳)は2022年10月に出版された。同年2月24日、ロシアがウクライナに侵攻して戦争が始まる。その8カ月後に出た。

シェフチェンコ(1814~61年)の名はロシアの侵攻後、初めて知った。彼が生きたのは150年以上も前だが、今のウクライナの状況と重なる作品を残している。

特に、詩集の最初と最後の詩が暗示的だ。まずは冒頭の「暴かれた墳墓(モヒラ)」。「静けさにみちた世界 愛するふるさと/わたしのウクライナよ。/母よ、あなたはなぜ/破壊され、滅びゆくのか。」で始まる。

そして、ラストの「遺言」冒頭。「わたしが死んだら、/なつかしいウクライナの/ひろびろとした草原(ステップ)にいだかれた/高き塚(モヒラ)の上に 葬ってほしい。」

 この「遺言」は広く知られているらしい。どちらにも「モヒラ」が出てくる。訳注には、ウクライナのステップ地帯に点在する古代の墳墓、とある。このモヒラあたりから探ってみるか。

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