わが生活圏のいわき市平中神谷地内を起点、山形県南陽市を終点とする国道399号は、いわき市小川町上小川地内で平地から山地に分け入る。
二ツ箭山麓を過ぎたあと、山中の最初の小集落が現れる。横川(小川町)だ。夏井川の支流・加路川沿いにある。
横川集落から399号を折れて「母成(ぼなり)林道」を行くと、やがて山陰の夏井川渓谷(江田地内)に出る。渓谷が通行止めになったときの迂回・避難ルートでもある。
5月29日、この横川地内で崩落事故が起き、399号が全面通行止めになった。集落のちょっと先が現場で、林道の利用には支障がないらしいと知って、少し気持ちが落ち着いた。
崩落現場のずっと先、川内村といわき市を直結する「十文字トンネル」を少し行ったところに「獏原人村」がある。
そこの主人がいわきの契約者に鶏卵の宅配をしている。全面通行止めになって以来、「富岡を経由している」とこぼしていた。
事故からすでに3週間(6月19日現在)。十文字トンネルを利用すれば平までは40分といったところだが、今は下川内~県道富岡大越線~山麓線の大回りルートを余儀なくされている。
何年か前、田村市の実家への往復に、このルートを利用したことがある。そのときの感覚からいうと、直行ルートの倍、1時間半はかかるかもしれない。
さて、崩落事故の原因だが、報道によると、吹き付けが行われたモルタル内部の岩が風化し、土砂化して崩れたらしい。399号を管理している県いわき建設事務所はそうみているようだ。
夏井川渓谷の県道小野四倉線も、モルタル吹き付けののり面が多い。同じ工法なら、内部の岩も風化して土砂化する可能性があるのではないか。
もともとが「落石注意」の標識が立っているV字谷で、モルタルの上にワイヤが張られているところもある。
近年はナラ枯れが進み、沿道でも立ち枯れの大木が見られるようになった。倒木・折損枝のほかに、大人のこぶし大から買い物かご大の石まで、よく道端に寄せられでいる。住民は、がけの上には浮き石があるともいう。これに、岩の風化という新しい心配のタネが加わった。
倒木・折損枝は渓谷だけで起きるのではない。木があればどこでも起きる可能性がある。
6月15日の日曜日は、渓谷の入り口、高崎地内で若木が折れ、県道の片側をふさいでいた=写真。
まだ供用が開始されていない広域農道と県道が交差する付近だ。こんなところで? いや、だからこそどこでも油断はできない。
横川の全面通行止めは、応急工事が進められており、27日には規制が解除される(ただし片側交互通行)。
本格的な復旧工事は先にしろ、川内村の住民、そしていわき市の戸渡の住民も、もうちょっとで不便な迂回から開放される。
われら夫婦も、日曜日は片側交互通行のような気持ちで渓谷の細い道を行き来するとしよう。
※追記=399号は21日午後3時、予定より6日早く片側交互通行として利用が再開された。
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