2018年8月6日月曜日

ノスタルジックシアター第2弾

 きのう(8月5日)午後、いわきPITで本木雅弘主演の映画「遊びの時間は終らない」(1991年公開)が上映された。イワキノスタルジックシアター第2弾として、いわきロケ映画祭実行委員会が主催した。
 去年(2017年)10月、吉野せい賞創設40周年記念事業の一つとして、せい原作「洟(はな)をたらした神」の上映会&トークショーが同所で開かれた。トークに参加した縁で、主催スタッフの一人からチケットを買って夫婦で見に行った。

「遊びの時間は――」は異色の警察映画だ。「筋書きのない」銀行強盗訓練で迅速に“犯人”を逮捕し、警察のイメージアップを図るはずだったのが……。

犯人役の若いおまわりさん(本木)が役になりきって、行員らを人質にとって銀行に立てこもる(1979年の三菱銀行人質事件を想起させる)。外では、地元テレビ局が他メディアに後れを取った挽回策として、キー局から飛ばされてきたディレクターを使って、後手ごてに回る警察を批判し、騒ぎをあおる。そのテレビを見てヤジウマが銀行前に殺到する。ますます収拾がつかなくなる。

訓練が実際の銀行強盗以上に当事者を翻弄し、苦しめ、わくわくさせるという皮肉。言い換えれば、組織の中で指示されたことを極めようとする、「まじめで融通のきかない」おまわりさんと、階級社会の警察内部のドタバタ劇、さらにはヤジウマの無責任な反応がからまりあった社会風刺ドラマ、とでもいえる内容だ。

交番勤務の凡庸な「平田巡査」が、家に帰れば銀行強盗を計画するアウトローに変身する――昼と夜の表情の落差が印象に残った。
 
 27年前に公開されたいわきロケ映画だという。鎌田山からの平の街の全景、平駅(現いわき駅)西側にある跨線橋、「銀行」になった市庁舎前の平商工信用組合(現いわき信組本庁前支店)、「警察署玄関」に見立てられた市議会棟など、見知った場所が出てくる。

 なかでも、お城山の方から見た跨線橋のシーンには、若いとき世話になった知人の家が映っていた。今は跡形もない。その一点だけでも時の移ろいを感じた。

 上映後、出演した俳優の一人(現・浦野REN)が電話を介して、舞台で主催スタッフの質問に答えた。銀行強盗のシーンを撮影するのに、貸してくれる銀行がない、銀行を探して東京から北上したら、いわきにたどり着いた――そんなエピソードが明かされた。映像でロケ地の今を巡る「イワキノスタルジック・リポート」も上映された=写真(チラシ版)。

 それはそれとして、映画は、“ブラック”まではいかない“グレー”なユーモア、とでもいうべき味があった。それがたまたまいわきロケ映画だった、ということであって、いわきロケであれば駄作でもOK、というわけにはいかない――そんな感想も抱いた。

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