2010年4月30日金曜日

花吹雪


「昭和の日」のきのう(4月29日)、夏井川渓谷(いわき市小川町上小川字牛小川)の無量庵へ出かけてネギ苗の虫退治をした。モグラが苗床のへりに何カ所か穴をつくっていた。モグラ道ができると根が空気にさらされ、栄養を吸収できないでしおれる――野菜にはよろしくない生き物だ。穴を埋め戻したが、いつまで持つことやら。

さて、夏井川渓谷のアカヤシオは花が終わりに近づいた。いや、よく持ちこたえたというべきか。4月最初の日曜日にちらほら花をつけ、次週日曜日にはほぼ満開、さらに次の日曜日には尾根まで花で埋まった。「昭和の日」も数こそ少なくなっていたものの、咲き残りがあちこちに見られた。低温が続いたために花が持ったのだろう。

26日に無量庵を訪れた中学校の同級生は「すこし早かったみたいです」とメモを残していったが、アカヤシオの花のことなら遅かったのだ。

アカヤシオより少し遅れて咲き出したヤマザクラも花を散らし始めた。牛小川のサクラは、大正6年の磐越東線開通を記念して県道小野・四倉線沿いに植えられたといわれるソメイヨシノを除き、すべてヤマザクラだ。天然由来のサクラが今も急斜面を淡いピンクの花で彩っている。それを、黄緑・緑・茶・薄茶・臙脂といった色の木の芽が包み始めた。

平地から渓谷へと駆け上がる「地獄坂」を越えたあたり(この坂の山もヤマザクラ一色となる)、道端にヤマザクラの木があって、花びらをハラハラ、ヒラヒラ散らしていた。花吹雪で路面が真っ白になっていた=写真。思わず車を止めて「花道」に立った。足を踏み入れるのがためらわれるほどの純潔に目が洗われた。

0 件のコメント: