旧小名浜測候所の敷地内に、おととしまで職員が開花を観測してきたソメイヨシノがある。無人化に伴い、地元に住む気象庁OBの協力を得て小名浜のまちづくり団体が観測を継続することにした。今年は4月10日にサクラの開花が確認された。いわきにもようやくサクラ前線が到着した。
こうなると、満開までは一気だ。散歩コースで目立つのは、市北部浄化センターのサクラ並木。夏井川の堤防に沿っておよそ60本のソメイヨシノが植わってある。遠目にも満開になった=
写真。
街への行き帰りに眺めるのは、やはり夏井川の堤防沿いにある平・塩のサクラ並木。こちらはしかし、だいぶてんぐ巣病にやられている。花を咲かせずに葉を広げるので、花一色のはなやぎはない。
春先からの天候不順が影響しているのだろう。2カ所とも花の色がぱっとしない。薄墨がかかったような印象を受ける。明るくないのだ。開花観測以後も天気がよろしくない。晴れたと思ったら強風が吹き荒れる。サクラの花の色同様、人間の心も晴れやかにはなれない。寒気と湿りを振り払う陽気が待ちどおしい。
それでも頑張って、夜桜の下でグイッ、というグループもあるのだろう。きのう(4月15日)の宵、いわき駅前再開発ビル「ラトブ」に行ったら、西側の窓の外、暗闇の奥にぼんぼりの明かりが見えた。サクラの名所・松ケ岡公園だ。〈きょうも繰り出しているのだろうか〉などと、うらやましさと同情の念を抱いた。
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