2010年4月1日木曜日
春の食べ物
4月の声を聞くと、体がムズムズしてくる。山菜のあれこれが頭のスクリーンに点滅するのだ。それに先立つ早春の土の味はフキノトウ、カンゾウ、そしてノビル=写真=など。フキノトウは正月から食べている。
ノビルは鱗茎を生みそか酢みそあえ、葉は刻んで汁の実に。カンゾウはてんぷらかおひたし。フキノトウはみじんにして汁の実にしたり、てんぷらにしたりする。これからはヨモギ、ワラビ、コゴミ(クサソテツ)、タラの芽など。
タンポポもいい。散歩コースの土手にニホンタンポポの花が咲き始めた。花の下の緑の総苞片が反り返っていないので、それと分かる。花はゆがいて酢の物、葉はてんぷら、根はきんぴらに――そんなことを頭に描きながら通り過ぎる。ニホンタンポポに関しては、しかしシミュレーションをするだけだ。食材としては侵略的なセイヨウタンポポにとどめる。
山菜はたいがい酒のつまみ。これでご飯を食べようとはなかなかならない。ご飯のおかずはやはり、漬物だ。
東北地方、いや北関東地方と変わらないいわきでは、3~4月は白菜漬けが難しい。わが家は夫婦2人。冬に何回か白菜漬けをつくる。3月に入ると、この漬物がすぐ傷むようになる。で、今は手に入る大根、キャベツなどを使った浅漬けでしのいでいる。前にも書いたが、春は冬の白菜・大根漬けが切れて、やがて糠漬けに切り替わる漬物の端境期。
きのう(3月31日)、知り合いからトウの立ち始めた白菜その他をいただいた。ときどき行く「元気菜野菜市場」がある。知り合いもそこへ行く。その店の運営者からもらったのだという。きのう限りで店じまいをするという話だった。
この冬、何回か「元気菜野菜市場」へ野菜を買いに行った。それで2回ほどは白菜も漬けた。5月になれば、糠漬けの食材が手に入る――と思っていたのだが、入手ルートの一つがなくなった。これも年度替わりに合わせた区切りの一つなのだろう。
いずれにしても、4月の食卓は山菜を加えた青物が多くなる。漬物も簡単な浅漬け、切り漬けになる。いただいた白菜の葉を数枚はぎ、あり合わせの大根、ニンジンと一緒に切り漬けにした。砂糖をぱらっとやって甘みを加えてみた。一夜明けてつまんだら、まあまあの軟らかさだった。砂糖も隠し味程度にはなったか。
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