11月初旬のことだ――。カミサンがアザミの花を摘んで、テレビのそばの家具の上に飾った。小さなアザミだ。夏井川渓谷で摘んだのか、それとも平地で摘んだのか。それは分からない。しばらくしたら、淡い紫色の花が白い綿毛に変わっていた=
写真。えっ! アザミもタンポポと一緒か。同じキク科だから、そうなるのか。
アザミは見るだけ、写真を撮るだけ。野辺から摘んできて飾るようなことはしない、とはいわない。男でも、紫色の花に引かれて、摘んで一輪挿しにポンと投げ入れることはある。が、アザミの花が綿毛になるまで放っておいたことはない。花がほつれ始めたら野に返す。
タンポポは、目にするのはおおかたセイヨウタンポポ。春に限らず綿毛をつくる。それをフーッとやる。3歳の孫が今、同じことを夢中になってやっている。アザミの綿毛はしかし、球形ではない。日本の今の若者が、炎のように髪の毛を突っ立てる、それに近い。絡み合っているようないい加減さだ。
いつか風が吹けばばらばらにほつれて飛び立つのだろうが、いかんせん室内だ。畳の上に落ちてそこで芽を吹くようなことはないだろうな。と、思いながらカミさんに聞いた。夏井川渓谷の無量庵の庭からで摘んできたのだとか。2週間以上たった今も綿毛は飛び立つ気配がない。
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