2010年11月29日月曜日

「白こぶ」はなかった


夏井川渓谷は、最後の紅葉のカエデが散り始めた。いよいよ渓谷の木々たちも冬の準備を終えつつある。すると、ヒラタケが落ち葉をかぶって群生しているはず――。頭にヒラタケの映像が浮かんだ。

初冬にヒラタケが群生する大きな倒木がある。ここ何年か、決まって今の時期に発生する。去年はひだに白い粒々のあるヒラタケが多かった。いわゆる「白こぶ病」だ。

今年はどうか。きのう(11月28日)、目指す倒木に直行した。あった=写真。が、傘に張りがなく、色も汚れかかっている。老菌になりつつある。一週間は遅かったようだ。“ミニ同級会”が行われた先週土曜日に、足を延ばしてチェックすることもできたのだが、時間的な余裕がなかった。翌日も多少頭が痛かったので無量庵にこもったままだった。

「白こぶ」はどうか。採って裏返す。ひだはすべて「こぶ」なしだった。きれいなものだった。

キノコバエが運んできた線虫がヒラタケのひだに付着すると、ヒラタケは自衛のために「虫こぶ(白こぶ)」をつくって線虫を食べてしまう、のだそうだ。栽培ヒラタケは「白こぶ」ができると売り物にならない。気持ちのいいものではないが、「白こぶ」の部分を取り除けば十分食べられる。

地球温暖化のせいで、ある種のキノコバエが北上しつつあるための現象らしい。でも、なぜ今年は無傷だったのだろうか。今年の秋はキノコが大豊作になった。「昔の気象条件」になって、キノコバエが立ち入るすきがなかったのか。全体の4分の1に当たる、若そうなヒラタケ20個前後を摘んで戻った。

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