日曜日(8月26日)、久しぶりに夏井川渓谷の無量庵=写真=で過ごした。8月最初の週末は田村市の実家に帰った。次の日曜日(8月12日)は、カミサンが自分の実家でお盆の準備を手伝った。一週間後の19日は地球市民フェスティバル。8月最後の日曜日になって、やっと用事や行事から解放された。
早朝7時半ごろ、無量庵に着いた。小一時間、外で作業をしたあとは、なにもしない。熱中症の予防もあるが、「無為」の時間を楽しむ。朝食をとり、朝風呂に入り、朝寝をする。なによりの“ごちそう”は昼前から吹き始めた谷風だ。屋内にいる限りでは天然のエアコンが作動している。谷風のおかげでわが家では体験できない涼気を味わうことができた。
無量庵に車が止まっていたのを見たのか、川前の知人がやって来た。よもやま話になった。昨年5月6日付小欄「川前・荻の放射線量」で、双葉郡川内村に隣接する荻地区の線量が高いことを書いた。今回と同じように無量庵にやって来てよもやま話になった。そのなかでいわきのホットスポットを知ったのだった。
1年半近くたった今はどうか。またまた「合併の功罪」の話になった。川前村が合併していわき市の一部にならず、川内村のように独立した自治体のままだったら、村長の指揮下、もっとスピード感をもって除染作業が進められていたはずだ、それが村の最大の課題になるからだ、と。
46年前、14市町村が合併していわき市が誕生した。合併の「功」は財政の効率化、「罪」は地域の課題の潜在化だ。過疎化・高齢化といった問題は、「川前村」なら最大の課題になるが、「いわき市川前地区」では市の一部の課題でしかない。市の周縁部になるほど問題は潜在化・矮小化して見えなくなる。
川内村は昨年3月16日全村避難をし、今年4月1日帰村が始まった。民間住宅の除染作業も進められている。隣の村が目に見えるかたちで前へ進んでいるのを見るにつけ、歯がゆい思いが募る。それでも、前に進むしかない――知人の言葉から、あらためて山里の厳しい「今」を知る。
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