2017年8月18日金曜日

モミタケが届く

「モミタケ、要る? 要るなら届ける」。お盆前、いわきキノコ同好会の事務局長氏から電話が入った。
 モミタケは美味菌だ。成菌では傘が団扇(うちわ)くらいの大きさになる。届くとすぐ写真に撮り、計測した。傘の長径は30センチ、柄は長さが18センチ、径が7センチもあった=写真。

傘と柄を分離し、傘を裂いて水に浸け、ごみや土を洗い落とした。柄は水を流しながら、たわしでごしごしやったら白くなった。きれいになった柄を見ると、大根と間違いそうだ。そのくらい太い。

 天然キノコは、いわきではまだ「摂取しないで・出荷しないで」という状況が続いている。が、キノコはゆでこぼすと放射線量が下がる(味も落ちる)。市などが公表しているキノコの線量データによると、去年(2016年)のモミタケは市内外の4検体とも「不検出」だった。ほかにも「不検出」のキノコが増えている。とはいえ、摂取するかどうかは自己責任だ。

 モミタケの食べ方をネットで確かめる。柄はスライスしてソテーに。でも、柴臭くて、ややえぐみがあるという。てんぷらにしたら、えぐみは消えるかもしれない。傘はやわらかいので、まずはゆでて大根おろしにする。炒め物にも、澄まし汁にもいいということは、万能キノコだ。全体に白っぽいので、「シロマツタケ」ともいわれる。名前の通りモミと共生する菌根菌だ。
 
 そうだった。去年(2016年)8月初旬、ロシアのサハリン(樺太)を訪ねたとき、海沿いの道端で村の娘さんが小さなバケツに白いモミタケの幼菌を入れて売っていた。1キロ1000ルーブル、日本円でおよそ2000円だった。モミタケはモミ以外の針葉樹とも仲がいい。
 
 8月は日照不足と低温が続いている。水稲や野菜の生育にはよろしくないが、キノコにはプラスかもしれない。食・不食・毒に限らず、森の中ではキノコが集会を開いているのではないか。

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