きょう(8月2日)で丸三日たったが、かすかに痛痒(がゆ)さが残っている。日曜日に夏井川渓谷の隠居で土いじりを始めたとたん、Tシャツの上から背中をアブに噛まれた。1匹ではない、3匹同時だ。手で払ったり、シャツをパタパタやったりしたものの、ビリッと感じてからでは遅かった。
7月末になって、一気にアブが現れた。隠居にも人間の気配を察知して入ってくる=写真。半そで・素足でいると、足裏といわず腕といわず、いつの間にか止まって吸血する。カのように静かなチクッではない。一瞬、電気が走ったような痛さだ。頭のてっぺんからつま先まで、タオルケットで覆わないと昼寝もままならない。
同じ日の朝、草むしりをしているとキイロスズメバチが現れ、執拗に体の周りを飛び続けた。偵察か警戒かはわからないが、どこかに巣があることは容易に想像できた。前に軒下や板塀のなかに巣をつくったことがある。キイロスズメバチに刺されたことのあるカミサンに、草むしりに熱中しないように注意する。人間の領分である街場の庭とはわけが違うのだ。
カミサンがキイロスズメバチに手を刺されたときには、やけどをしたように痛かったという。痛みが収まらないので、磐城共立病院の救命救急センターへ連れて行った。「今度刺されたら、すぐ救急車を呼ぶように」とドクターはいった。
土曜日には、兵庫県の小学生がヤマカガシに噛まれて、一時、意識不明になったという。ヤマカガシは、私が子どものころは無毒といわれていた。見つけると、しっぽをつかんで振り回して遊んだものだ。が、大人になったころ、死亡事故が起きて毒蛇の烙印を押された。よく無事ですんだものだ。
渓谷にもヤマカガシはいる。隠居へ通い始めてからほどない真夏、渓流の岸を歩いていたら、大きなヤマカガシがとぐろを巻いて涼んでいた。肝を冷やした。マムシも生息しているが、遭遇したことはない。アブ・ハチ・カのほかにはブヨ((ブユ)がいる。イノシシがいる。ウルシが生える。毒キノコが発生する。山野は人間以外のいきものの王国なのだと、意識を切り替える必要がある。
菌類については「まず毒キノコを覚えよ」といわれる。種類が少ないので、覚えてしまえば中毒する危険は格段に減る。それと同じで、危険な、あるいは不快な生きものを覚えることで、被害を減らすことはできる。安全な街場の感覚で山野を巡るのが一番危ない。過度に恐れる必要はないが、無頓着がケガを引き寄せる。
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