カエデの紅葉前線は、いわきでも山から平地へ――。わが家の庭のカエデが紅葉のピークを迎えた=写真。何日か前、気づいたら葉が赤くなっていた。葉の1枚1枚が化学変化を起こして、一気にそうなるらしい。
庭のカエデの樹齢は15年ほどだろうか。カミサンが夏井川渓谷にある隠居の庭の実生(みしょう)を土ごとポットに移し、養生したのを定植した。大人の手の親指くらいの太さだったのが、今は径12センチほど、高さも4メートル近くになった。一度、近所の造園業者さんに頼んで庭木を“散髪”してもらった。それがまた大きくなった。
カエデは、繁殖力が強い。渓谷の隠居の庭には、玄関前や隣地・道路の境にカエデが何本かある。私が渓谷へ通いはじめたのは、1月に阪神淡路大震災、3月に地下鉄サリン事件が起きた平成7(1995)年の初夏。22年前からカエデの実生をあきるほど見ている。庭のあちこちに芽を出すのだ。
ほっとけば庭が、菜園がカエデの林になる。私は、気づいたら芽を摘む。ところが、カミサンは芽生えに“感動”してポットに土ごと移す。そうして養生したカエデの苗木を人にあげたり、自分の家の庭に植えたりする。
30年後、40年後、植えた苗木がどうなっているか――。私は想像すると恐ろしくなるので、狭い庭には木を植えない。カミサンは目の前にある苗木がかわいくて、それだけで植えているふしがある。はかにも何本か植えた若木がある。
庭のカエデはそばのカキの木とけんかするほどになった。いつかはカエデを切って、枝は小刀でこけしに、幹は円空のような仏像に、なんて考えたりもする(小学校の低学年のころ、里山から雑木の枝を切って来て、肥後守でよくこけしを作ったものだ)。
きょう(12月1日)から師走。庭のカエデが葉を散らすと、年末年始へとまっしぐらだ。カミサンはこのところ、よく庭に出てほかの木の落ち葉かきをしている。カエデは、紅葉を見ている分にはきれいだが、暮らしの場にあると後始末が大変、という面もある。
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