やっと“お触れ”が回ってきた。東日本大震災に伴う原発事故で道路側溝の土砂上げが中止になった。その堆積物(土砂など)をいわき市が撤去する。小名浜から始まって、今回は平の原高野、鎌田・塩・下神谷・泉崎・中神谷のJR常磐線南側の区域が対象だ。12月中旬~来年(2018年)3月下旬に実施される。
毎年6月と10月の2回、「いわきのまちをきれいにする市民総ぐるみ運動」が展開される。2011年6月は、震災直後で中止になった。秋は実施されたものの、市の要請もあって側溝の土砂上げは行われなかった。以後、土砂上げは自粛が続いている。放射性物質を含んだ土砂の受け入れ先が確保できないのが理由だ。
7年もたてば土砂がたまる一方なのは子どもでもわかる。大雨時に歩道が冠水しやすくなる、害虫の温床になる、といった心配が出てきた。で、市が国に要望した結果、1回だけ国の予算で市内全域の側溝堆積物を除去することが決まった。
その順番がきた。12月20日付の回覧資料=写真=によると、堆積物を撤去するのは、震災前まで土砂上げを実施していた個所のうち、市が調査して排水不良などの実害またはその恐れがあるところ――と、範囲が絞り込まれている。事前に行政区から土砂上げ実施側溝のマップを市に提出した。それに基づいて現地を調べたわけだ。市道などのすべての側溝で実施するわけではない。
除去土砂はどこへ行くのか。小名浜の場合、市有地で仕分けし、2000ベクレル以下の汚泥は溶融処理をして放射性物質を分離したあと、処分する方法を検討しているという報道があった。
土砂がたまった側溝では草が生えている。灌木らしいものが葉を広げた集水マスもある。とにもかくにも側溝の“通じ”がよくなれば、地域の懸案はひとつ減る。
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