2017年12月8日金曜日

講師例会

 車ではなく電車で常磐・湯本温泉街へ行ったのはほぼ10カ月ぶりだ。2月下旬に温泉旅館の古滝屋でブッドレア会の総会・懇親会が開かれた。今度は講師例会・懇親会だった=写真。おととい(12月5日)の夜、久しぶりに湯本の仲間と酒を酌み交わした。
 平成21(2009)年春に、いわき地域学會初代代表幹事で古滝屋社長の里見庫男さんが亡くなるまで、同所で月例飲み会が開かれた。旅館内の店にちなんで「江戸十番会」と名づけられた。ほぼ休まずに電車で通った。

 ブッドレア会は「文化と福祉のボランティア団体」で、昭和57(1982)年に里見さんが中心になって発足した。こちらも定例で講師例会・懇親会を開いていた。文芸評論家でいわき市立草野心平記念文学館長の粟津則雄さんが講師を務めたこともある。
 
 江戸十番会は里見さんの死とともに“中断”した。ブッドレア会は東日本大震災の年にもがんばって総会を開いた。が、災禍の後遺症か、活動は続けても総会・懇親会を開くエネルギーがわかなかった。今年(2017年)、4年ぶりに総会が開かれたのは会長の死という危機感からだったろう。
 
「久しぶりの講師例会」という現会長のあいさつに、思い出した。<おれも40歳になる前、里見さんにいわれてしゃべったんだっけ>。30年前に書いた自分の文章にこうあった。「年6回ほどのペースで講師を招き、硬軟とりまぜた話を聴いたあと、アルコールをたしなみながらリラックスする、というのがしきたり」の会だ。それが、里見さんの死後、それこそ久しぶりに開かれたわけだ。
 
 30年以上のつきあいともなれば、年に一、二度しか会わなくても突っ込んだ話ができる。幕末の新島襄、明治の天田愚庵、大正の山村暮鳥と関係する平・三町目の店「十一(じゅういち)屋」の血を引く女性がいる。家に残っている資料を貸してくれることになった。自分のなかにある疑問が少しでも明確になれば。

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