2024年7月25日木曜日

弾性ストッキング

        
 カテーテルによる心臓の「左心耳閉鎖術」を終え、一晩、ICU(集中治療室)で過ごしたあと、一般病棟へ戻った。

 するとほどなく、看護師さんがふくらはぎと足首の太さを計り、ひざ下に合ったハイソックスを持って来て、はかせてくれた。

 なに、それ? ハイソックスを見ると、足の指のところに半楕円形の穴が開いている。しかも、ひざから下が強く押さえ込まれているような感覚がある。

 なんのためにはくのだろう。ハイソックスが入っていたプラ包装には「一般医療機器」「レッグ サイエンス」「一般的名称 弾性ストッキング」「モニターホールタイプ」などとある。「穴」は「モニターホール」というのか。

 取り扱い方法も書いてあった。①洗濯機での洗濯が可能②塩素系漂白剤の使用、アイロン掛け、ドライクリーニングは避ける③陰干しをする――。

 さらに、同封の説明書によれば、下肢の静脈血やリンパ液の鬱滞(うったい)を軽減・予防するなど、静脈還流の促進を図るのが目的だという。鬱滞とはつまり、血流の滞りだ。

 ここまで頭に入れて、なんとなくわかってきた。私は、手足が冷たい。末端の血流の悪さが原因だ。それで、できれば握手はしたくない――ずっとそう思っている。その血流を改善するための特殊なハイソックスということなのだろう。

 弾性ストッキングをはいたまま退院し=写真、家に戻ってすぐ風呂に入った。着替えたあとは、入院中に知った新しい言葉の意味などをネットで再確認した。

 まずは弾性ストッキングについて。検索すると、足の血栓予防、いわゆるエコノミークラス症候群を防ぐための「医療機器」ともあった。

 エコノミークラス症候群を知ったのはいつだろう。阪神・淡路大震災のときか。いやそのあとの新潟県中越地震(2004年)・同中越沖地震(2007年)あたりからのようだ。

その後、東日本大震災でも、今年(2024年)の元日に発生した能登半島地震でも問題になった。

弾性ストッキングは、立ちっぱなし(理容業など)、座りっぱなし(私もその一人)の人間には有効なハイソックスである。常時はき続ける必要はない。

というわけで、ここしばらくは座卓にノートパソコンを置き、検索をかけたり、ブログの原稿を打ったりしている間は、このソックスをはくことにした。夜にははずす。

医療技術も、機器も開発が進む。左心耳閉鎖術もまた、新しい治療法だという。そのため、今回の治療に関するデータを学会や医学雑誌、公的機関のウェブサイトなどに発表してもいいかという。

データベース登録というやつで、左心耳閉鎖術に関するデータの収集・解析を進めることで、治療の有効性や安全性が詳細に検証され、より適切な治療が可能になる。これからこの治療法を必要とする人のためにもふたつ返事でOKした。

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