2024年7月9日火曜日

たまらず海岸へ

                   
 雨が降ってもお湿りにさえならない。この週末は、いわきの内陸部でも真夏日が続いた。カラ梅雨にはちがいない。

 テレビが伝えるいわきの気温は、内陸部にある中心市街地・平ではなく、海に面した小名浜の気温である。

測候所が小名浜にあり、無人化されたあとは「特別地域気象観測所」として、自動観測を継続している。

いつからか「いわき○○度」が「いわき小名浜○○度」と、「小名浜」を加えるようになったのは、視聴者からの苦言・要望があったからだろう。

平に住む人間は、そのへんは先刻承知で、体感気温の参考にするのは、いわき南部の山田町だ。

平の気温が福島地方気象台のデータに反映されているならともかく、それがない。で、「気温と暮らし」ということになれば、いつも山田の気温を参考にする。

7月に入ると、山田は最高気温が4日33・6度、5日32・0度、6日30・7度、7日31・9度と、4日連続で真夏日になった。

小名浜はどうか。いずれも最高気温は30度に届かず、7日の日曜日は28・1度だった。

7日はいつものように、夏井川渓谷の隠居へ出かけて土いじりをした。といっても、体感ではこの週末で最も暑かった。

畑の日陰を求めて穴を掘り、生ごみを埋めると、もう息が上がった。15分で作業を中止し、早々に隠居を離れた。

どうやら内陸部に行くほど気温が上昇したようだ。あとでデータを確かめると、中通りでは最高気温が石川町37・8度、小野新町35・5度、船引町33・9度。浜通りでも隠居から近い阿武隈山中の川内村は36・7度だった。

こんな暑さの中で土いじりをすること自体無謀だが、一方では「ヤマユリが咲いているはず」という期待もあった。

小川町・三島のハクチョウ飛来地にさしかかると、川側の道端にヤマユリが開花していた。渓谷の入り口、高崎でもやはり咲いていた。

渓谷に入ると、つぼみが白く大きくなって開花寸前のものがあった。籠場の滝の近くまで進むと、まだ小さくあおいつぼみが散見された。

その先、少し開けたところで一輪、ヤマユリが咲き、かたわらでつぼみが大きく白くなっていた=写真。

ヤマユリはやはり夏の暑さと結びついた花だ。パチリとやって、爽快な気分になったのも束の間、「酷暑」の現実にげんなりさせられる。

家に戻っても暑い。街へ買い物に行っても暑い。夕方、海辺の農村地帯に住む後輩の家へ寄ったついでに、海岸へ出かけた。

車は、スタート時にはエアコンをかけるが、途中からとめて窓を全開する。集落を過ぎて海岸の防風林が見える水田地帯に来ると、急に空気がひんやりした。さっと体の熱が引いていく。

こんなに違うんだ。で、後輩の家からの帰り、海岸へ直行し、ひとときひんやりした空気の中を移動して帰宅した。

ハマの気温は、いわきの大多数が住むマチ(内陸部)の気温にはなりえない。そのことをあらためて胸に刻むドライブだった。

0 件のコメント: