朝は起きてご飯を食べるまで、やることが決まっている。まず、茶の間のカーテンとガラス戸を開け、玄関先から新聞を取り込む。風呂をわかす。台所の糠床をかき回す。
朝風呂に入るのは現役のころからの習慣だ。職場から帰るとすぐ晩酌を始める。酒を飲んだら風呂には入らない。在宅ワークの今も、「風呂より晩酌が先」を守っている。
そのあとは茶の間に陣取り、新聞折り込みのチラシを数え、パソコンを開いてメールをチェックする。
月曜日はさらに、家の前にある集積所にごみネットを出す。雨になってもこれは変わらない。
そして最近は空を見て、晴れていれば庭に止めてある車の運転席と助手席の窓を開ける。
車を乗らない日はまずない。夏場は特にドアを開けた瞬間、熱気に襲われる。それがイヤで始まった朝のルーティンだ。
車の窓が開いていれば、ヤブカが入り込んで待っている。車に乗り込んだ瞬間、目の前を蚊が飛び回る。
カミサンが助手席にいれば、すぐうちわで追い払う。チクッとやられる前に風を起こして吹き飛ばすのだ。
先日は、イナゴが運転席に迷い込んでいた=写真。田んぼ道ならともかく、街なかでは放り出すわけにもいかない。
そのまま乗せて用をすませたあと、放っておいたら夕方には姿を消した。車にはえさはない。あきらめて庭へ戻ったか。
車の窓開けは暑さ対策の一つにはちがいない。夕方にはもちろん窓を閉めて、ドアも開けられないようにする。
それはそれとして、7月20日の日曜日は朝のルーティンを一部省略した。7月第3月曜日の「海の日」を含む3連休のど真ん中。参院選の投開票日で、近くの投票所(小学校の体育館)の管理者を仰せつかった。
前夜は早めに寝て、4時には起きた。朝食も早めにとり、6時過ぎには投票所へ行って、スタッフの市職員と顔を合わせた。
夜7時を過ぎると、私ともう1人(立会人=別の行政区の区長)の2人で借り上げタクシーに乗り、開票所の総合体育館まで投票箱(厳重に施錠されている)を運んだ。
ただただパイプいすに座っているだけの12時間。昼のルーティンである、横になっての本読み・昼寝が頭をよぎるものの、むろんそんなことはできない。
日曜日の刺し身は、この「公務」のために一日早く土曜日に買って食べた。魚屋さんは前にも書いたが、7月25日で店を閉める。
その最後の日、若い仲間が遊びに来るので、「刺し身のラストパーティー」を開くことにして、マイ皿2つ分の予約をした。
今度も刺し身は食べきれなかった。投票所へ出向く前、残ったカツ刺しをご飯のおかずにした。一晩たっても鮮度は落ちない。
「40年に及ぶ日曜日夕方の魚屋さん通いは、これで終わりか」。朝6時前、そんな感慨を振り切りながら、「公務」に就いたのだった。
0 件のコメント:
コメントを投稿