2025年7月29日火曜日

糠漬けスイカ


 わが家にとっては「高級品」のメロンが、カミサンの知り合いから届いた。お福分けである。

 カットして冷やしたのを食べた。みずみずしくて甘い。そして、やわらかい。室温30度超の茶の間で味わうメロンは、「一服」どころか「一福」の涼である。

食べ残した果皮を見て、カミサンが言う。「糠漬けにしたら」。そうだ、その手もあった。

ウリ科の果菜は漬物になる。トウガンもウリ科の植物だ。漢字では「冬瓜」と書く。「冬まで持つ瓜」ということなのだろうが、旬は夏である。

 ある年の夏の終わり、旧知の篤農家を訪ねると、帰りにおみやげをもらった。なかにトウガンがあった。

トウガンは煮物が定番。それでも食べきれない。皮をむき、種とワタを取って糠漬けにした。

白く硬い生のトウガンが、乳酸菌と塩分のはたらきによって一夜でしんなりした。かすかだがメロンのような甘みがある。まずまずの味だった。

たまたま東京からやって来た客人に、初めて漬けたトウガンを酒のつまみとして出したら、うなった。

秋のハヤトウリも、小ぶりなものは皮をむかずに四つ割りにして、糠床に入れる。24時間、36時間と漬けておく時間を変えた。どちらも漬かっていたが、36時間の方がご飯のおかずにはよさそうだった。

メロンもキュウリと同じウリ科の植物だ。外果皮は硬くて食べられない。が、内側の果皮は糠漬けにできる。

包丁で外果皮をカットし、甘みが薄く、硬くなって食べ残した内果皮を糠床に入れる。

食べ残しだから内果皮は薄い。すぐ漬かる。昼前に入れたら、夕方には取り出す。ご飯のおかずというよりは酒のつまみだ。

口に入れやすいサイズにカットして冷凍した=写真上1。晩酌をやりながら、これをつつく。メロンの甘さと、内果皮のほどよい硬さ、そして塩味が口の中で絡み合う。ま、量も少ないし、珍しい「冷果」には違いない。

数日後、今度は別ルートで小玉のスイカが届いた。これも冷やして食べた。赤く熟した中身と外果皮の間に白い内果皮がある。小玉なのでそう厚くはない。1センチあるかないかだ。

これも外の皮をカットして、糠床に入れた。夜になっていたので、翌朝6時に取り出し、メロンと同じように一口大にカットして、冷蔵庫に入れた。これも晩酌のつまみにした=写真上2。

スイカのほのかな甘さ、くせのない歯ざわり。硬いものが食べづらくなった年寄りにはむいている。メロン同様、こちらも量は少ない。やはり珍味だ。

   ま、畑の肥やしになるか、食べきるか、どちらかだから、たまには遊びとして酒のつまみをつくってみた、という話。 

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