「白鳥おばさん」から残留コハクチョウの近くにコウノトリが飛来したという情報が届いたあと、草野心平記念文学館のホームページにそのコウノトリの写真がアップされた。
白鳥おばさんと地元に住む文学館の館長氏が、別々にだが偶然、同じ個体を目撃した。文学館ではコウノトリと残留コハクチョウの写真に、草野心平の詩「幻の鳥の一列」「コウノトリ自身」「新年の白鳥」を添えて、小さな企画展を開いている。
そのことを7月7、15、18日のブログに書いた。これはその続編。というか、書きたいことが次々にわいてくる。
白鳥おばさんの手紙にコウノトリのスケッチが添えられていた。このスケッチもブログで紹介した。
すると、それを読んだ人が、コウノトリのくちばしはカギ形ではないことを教えてくれたという。後日、スケッチの間違いをわびる手紙が届いた。
年寄りの目にはくちばしが曲がって見えたのかもしれない。くちばしの曲がった絵を描いて送ってしまい、恥ずかしい――そんな内容だった。いえいえ、そんなことはありませんよ。
手紙には、白鳥おばさんのもとに届いたコウノトリの写真(コピー)が同封されていた=写真。6月13日に夏井川左岸、つまり国道399号から撮影した、と記録にある。
写真で見るコウノトリのくちばしは、確かにカギ形ではない。長くてまっすぐだ。そして、黒い。足環も見える。
タンチョウヅルは見たことがない。が、コウノトリと同様、テレビの自然番組ではおなじみだ。コウノトリはタンチョウヅルほど大きくはないが、白と黒の配色などは似ている。
どちらも大きい、ということで本題。写真のコウノトリと、コウノトリをテーマにした心平の「幻の鳥の一列」を読んで考えさせられた。
「うすむらさきむらさきの雪がふり。/極くおだやかにふりつづき。/一羽一羽一羽一羽一羽。//(ここ阿武隈の山脈=やまなみ=に巣でもつくらうといふのだらうか。)/枯枝をくはえたコウノトリの一列が。/一羽一羽一羽次々に。/むらさきの雪のなかから現れてくる。」
阿武隈の山並みが出てくる。ということは、小川あたりの実景を詠んだものにちがいない。
その数は「一羽」が5回繰り返されることから、少なくとも5羽はいたか。しかも、枯れ枝をくわえて飛んでいく。
コウノトリがどこかで営巣している。そう思わせる情景が、かつては小川の里でも見られた、ということなのだろう。これはいわきの野鳥研究史上、「大発見」ではないか。そんなことを思いながら、白鳥おばさんの2回目の手紙を読み終えた。
国道から眼下の「エリー」(残留コハクチョウ)にくず米をまいてやると、大きなコイ12匹が争うようにパクつくという。水面下ではコイも生きるのに必死なのだ。
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