春のソメイヨシノと渓谷のアカヤシオ、夏のヤマユリ、秋のキンモクセイ、冬のスイセン……。
わが生活圏(夏井川渓谷の隠居の周辺も含む)で、その年初めて開花したり、香りに気づいたりした日を記録している。
夏鳥のツバメやホトトギス、冬鳥のコハクチョウやジョウビタキなどもそうだ。菌類を含む私的な生物季節観測である。
秋は、キンモクセイ(隣家の物置の前にある)よりも、夏井川の堤防に群生するヒガンバナの開花が気になる。
例年より遅い・早い――は、ブログの記録とメモを続けて身に付いた感覚を基に判断する。
夏の天候と開花時期は連動している。今年(2025年)は開花がずれ込むはず、そうみていた通りになった。過去のブログ記事も参考にしている。それらを再構成して、今年の様子をみる。
いわきの平地のヒガンバナは、夏が天候不順の冷夏だと9月になるかならないうちに咲き出す。去年はその逆だった。
秋分の日と日曜日が重なった9月22日。渓谷の隠居へ行く途中、平・上平窪の田んぼ道でヒガンバナの花を見た。
8月だけでなく、9月も暑い日が続き、秋はいつくるのやら、という異常気象になった。
私がマチからの帰りによく利用する夏井川の堤防は、近くの農家の人が時々、土手の草を刈る。夏の終わりが近づくと野生化したニラの花が咲き、スルボが咲く。
9月に入るとヒガンバナが……。頭では時折、花の記憶がよみがえるのだが、去年はなかなか出合えなかった。
上平窪でヒガンバナの最初の花を見た翌々日、マチへ行った帰りに夏井川の堤防に出た。そのころになってやっと、緑に覆われていたところも、草が刈られたところも、赤い花が浮き出るように咲いていた。
今年は堤防で工事が行われており、日中、行き来ができるのは土・日曜と祝日だけだ。それに加えて秋になっても酷暑が収まらない。それで、堤防には赤い点々がなかなか現れなかった。
小川の草野心平記念文学館で会議があった9月18日、車に給油した足で草野から四倉の柳生街道へ抜け、時折、田んぼのあぜに目を凝らした。
仁井田川沿いの山田古湊付近でやっとひとかけら、赤い点々を見つけた。今年初めてのヒガンバナだった。それ以外、たとえば平窪でも、小川でも田んぼのあぜに赤色はなかった。
20日に内郷で国際交流イベントがあり、アッシー君を務めるのを利用して、「土曜休工」の堤防を行き来した。そこでやっと開花を確かめることができた=写真。
いよいよ秋である。「暑さ寒さも彼岸まで」とはよくいったもので、秋の彼岸に入って急に涼しくなった。21日夜はこの秋初めてパジャマを着た。
ヒガンバナは文字通り、秋の彼岸にならないと咲かなくなった、なんてことになれば、やはり心配なのだが。
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