2016年7月26日火曜日

「小名浜ベイブリッジ」

 だいぶ前、小名浜港の人工島と陸地が橋でつながった。日曜日(7月24日)午後、新風景「小名浜ベイブリッジ」を写真に撮ろうと、山里(田人町)からの帰りに立ち寄った。
 震災前の2009年春、いわき市主催で「景観セミナー」が開かれた。景観面からみた人工島の橋の検討経過と方向性が紹介された。そのときと、2年前に橋げたがのび始めたころの拙ブログから。
 
 ――人工島は「東港地区多目的国際ターミナル」整備事業として建設が進められている。外貿貨物(石炭など)需要の増大と船舶の大型化に対応して取り扱い能力を向上させるのが目的だ。海面からの橋の高さは、陸地からの最大勾配5%(100メートル行って5メートル上がる)として25メートルが限界。巡視船は橋の下を通航できるが、大型客船「飛鳥Ⅱ」は通航できない、ということだった。

 この一大プロジェクトの動脈が、橋を含む延長1805メートルの臨港道路。橋の構造は、コストや小名浜港の新たなランドマークとしての眺望を計算に入れた結果、主塔と斜材で主桁を支える外ケーブル構造の「エクストラドーズド橋」になった。「横浜ベイブリッジ」のような吊り橋ではない。が、斜張橋に似て主塔から張り出された斜材が線による三角形、低い山形をつくりだす。それがより立体感を出している。
 
 橋自体が新しい風景になり、新しい視点場を提供する。ライトアップされればそれも格好の被写体になる。アクアマリンパークの北側にはイオンモールができる。小名浜のウオーターフロントは驚くほどに様変わりする――。

 海上に架かる新風景を写真に撮るのは初めてだった。人がたくさん行き来するアクアマリンパークからファインダーをのぞくと……。行楽客というよりはスマホを見ている若者や子どもたちばかりではないか=写真。いっとき、立ち止まって観察していると、小学生が近づいてきた。「ポケモンGO?」「そうです」。父親が少し離れたところから見守っていた。

 夏休み最初の週末、日本列島がいきなり「ポケモンGO」一色になった。どこか遠い大都会だけでなく、いわきの街にも港にも、地域の片隅にもポケモンが現れた。あとで寄った豊間の塩屋埼灯台下にも、スマホ片手の子どもたちがいた(立ち入り禁止になっている防災緑地造成現場には、さすがに人はいなかったが)。小名浜ベイブリッジは「恋人の聖地」、アクアマリンパークは「ポケモンの聖地」?

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