2018年12月15日土曜日

ネギジャガの味噌汁

 品種の違うネギが手に入ったときには、ジャガイモとネギの味噌汁にする。阿武隈高地で生まれ育った。「三春ネギ」とジャガイモの味噌汁の味が味蕾に刷り込まれた。で、その味の記憶がネギの品質を判断する“基本”になった。
いわきの街で売られているネギは白くて太いのが主流。見た目は立派だが、けっこう硬い。味もあまりない。

40歳を過ぎて、夏井川渓谷の隠居へ通いはじめ、親しくなった家で朝食をごちそうになったとき、自家栽培のネギとジャガイモの味噌汁に飛びあがった。これだ、この味噌汁だ、小さいときに食べたのは! 聞けば、「三春ネギ」だという。いわきの街で買って食べていたネギと、渓谷のネギは品種が違っていた。

以来、知人から種と苗をもらい、失敗を繰り返しながらも種の冷蔵保存を覚えて、自家採種で三春ネギの栽培を続けている。

冬ネギが出回る季節を迎えた。わが菜園の三春ネギはすでに11月から収穫を続け、残りは採種用のものを除いて20本程度になった。

自家栽培のネギだけでは間に合わない。「三和ふれあい市場」へ行ったときには三和町の地ネギを買い、道の駅よつくら港でも同じように地元産のネギを買う。それらもまた、ネギジャガの味噌汁にして味や硬軟を確かめる。

水曜日(12月12日)の朝、前夜の残りのけんちん汁(トン汁)に輪切りのネギがちらしてあった。加熱されていなかったからか、リンゴの皮のように硬い。白くて太かったという。めったにないことだが、ネギを取り除いて食べた。

翌日、内郷へ行った帰り、郡山市に本社のあるスーパーへ寄って買い物をした。師走に入ると、郡山の「阿久津曲がりネギ」が野菜コーナーに並ぶ。あった。3束を買った=写真。

きのう(12月14日)朝、カミサンに頼んでネギジャガの味噌汁にした。台所に行くと、ネギの香りがする。味噌汁をすする。ネギが甘くてやわらかい。1年ぶりの味に舌が喜んだ。

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