夏井川渓谷の林は松とモミなどを除いて、すっかり葉を落とした。隠居の対岸にある「木守の滝」が、裸になった木々の間から見える=写真下。冬だけの光景だ。
木守の滝は、1月下旬~2月の厳寒期には一部が凍結する。滝の下部と左右から氷が成長して、全面凍結に近い状態になることもある。しかし、それはこの20年余で2~3回だけだったような気がする。
それでも、虫たちには冬は厳しい季節だ。テントウムシやカメムシは、わが隠居へ入り込んで越冬する。テントウムシは悪臭を発するわけではないから、別に気にしない。問題はカメムシだ。
隠居の茶の間の隅に座布団を重ねておく。衣紋掛けもある。押入は布団でいっぱいだ。この時期、座布団や布団を引っ張り出すと、カメムシがパラパラこぼれる。土いじりをしようと、衣紋掛けのダウンジャケットを着たら、いっぺんに10匹も畳に落っこちた。ダウンジャケットの中で冬ごもり、を決めこんでいたようだ。
そんなわけだから、いつの間にか上着にひっついてわが家へやって来る虫もいる。5日前の金曜日午後、座業を続けていたらポトリとカメムシが紙の上に落ちてきた=写真上。火曜日に隠居へ行ったから、そのとき、マフラーにでも潜り込んだか。ある日、隠居の帰り、街の某公共施設に入ったら、やはりポトリとカメムシが落ちた。人間もまた知らぬ間に植物の種子やキノコの胞子、虫の運搬役を果たしている。
隠居の10匹は、ヒーターと石油ストーブで部屋が暖かくなっていたせいか、畳に落ちるとすぐ動きだした。それを紙ですくい集め、外へ出した。そのとき、一発くらったらしい。パクチー的なにおいがしばらく体にしみついていた。
なんというカメムシだろう。背中の模様と特性(成虫のまま人家に入り込んで冬を越すことがある・一発が臭いので嫌われる)が一致した。クサギカメムシらしかった。
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